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漱石先生残暑御見舞い申し上げます [猫のこと]

しばらくご無沙汰しておりました。猫のミーコでございます。今日もこのブログを借りまして、吾が近況をお知らせします。
    
屋内で幸せに過ごした数年のあと、憧れの家の外に出させてもらい、屋外の散歩を日課としてから数年が経ち、今では日に2度3度、ときには4度も外界を、しっかり楽しんでおりまする。外出し始めて間もない頃は、もの珍しきこと数多あり、外の世界で数時間、退屈するひまなく過ごせしに、今ではすべてが見慣れた景色、好奇心を満たすものなどさらになく、家を出てからほどもなく、我がテリトリーを一巡すれば、家に帰りたくなりまする。家に入ればそこもまた、いつもの見慣れたものばかり、再び外へ出たくなり、家人にせがんで外出する次第。かくて家を出ること日に幾たびか、家人を煩わせておりますと、その煩わしさを軽減すべく、家人も智恵を働かせ、新しきダンボールの箱を置き、我が好奇心を刺激せば、その誘惑には逆らえず、思わず飛び込む箱の中。ダンボールの箱に身を納めれば、ぴったりサイズで心地よく、そのまま身を丸めておりますと、いつしか睡魔に襲われて、時間がたつのも忘れるままに、しばしの昼寝を楽しみおれど、やがて目覚めて見回せば、相も変わらぬ眺めのみ。


外の空気に触れたいと、窓辺によればすぐ目の前に、鳩が佇んでおりまする。鳩のわきには数羽の雀、鳩同様にこちらを見つめ、餌を待っておりまする。手が届きそうな距離ながら、ガラスを介しているゆえに、鳩も雀も悠然として、猫の私を見ておりまする。そんなある日の昼下がり、窓の外に出てみれば、すぐ目の前で雀と鳩が、撒かれた餌にむらがって、夢中でついばんでおりまする。考えるまでもなく雀も鳩も、我が家の餌にて生きており、我が仲間とも言える仲、雀も鳩も同様に、吾を仲間と思いきや、あわてることなく悠然と、餌をつついておりまする。吾は静かに背を向けて、いつものコースを歩いて行けば、いきなり飛び出すトカゲあり。なぜかは知らねどトカゲに向かい、吾が身体は猛然ダッシュ、トカゲの身体を押さえれば、すぐ目の前を飛び跳ねがら、吾が眼をつよく引くものあり。なぜかは知らねど吾はまた、飛びはねるものに猛然ダッシュ、押さえてみればこはいかに、たんなるトカゲの尻尾なり。急いであたりを見回せば、逃げるトカゲの姿あり、ふたたび猛然ダッシュして、トカゲに爪をたてんとて、両前足を伸ばせども、すでにトカゲは石の下、吾が楽しみは消えにけり。


暑さに強き吾なれど、猛暑の続く今日この頃は、涼をもとめてあちこちと、居場所を変えておりまする。そんな吾をば見かねてか、家人が手にした扇風機、吾に向けられし強い風、涼しくあれどいかんせん、涼しさに勝る不安感、吾は扇風機の風をさけ、涼を求めてさまよい歩き、廊下に良き場所探し当て、しばしの昼寝をむさぼれば、いきなり家人に抱き上げられて、春か秋を思わせる、涼しき部屋に連れ込まれ、テレビの前に置かれたり。さてはと画面に眼をやれば、案の定と言うべきか、吾が同胞たちが群がりて、遊んでいる姿の場面なり。


 ここ数年来のテレビには、猫に関わる番組ありて、家人に勧められて見ておりまする。家の周りを歩いてみても、吾が同胞の姿なく、会える機会はテレビのみ、吾は人にあらずして猫なるを、テレビで確認している次第。人間様の発明になる、テレビに感謝しておりまする。
    
久々にお伝えしました近況報告を、ここらあたりで終えると致します。猛暑続きの今日この頃なれど、空には秋の気配あり。暑さに耐える日もあとしばらく、皆様どうかお元気で。

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