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3月10日と3月11日 [雑感]

3月11日のテレビや新聞は、あの大震災を大きく取り上げる。13年が経ったとはいえ、まだ記憶に新しいのだから当然なのだが、その前日の3月10日はあの大震災をはるかに上回る10万人を越える犠牲者をだした東京大空襲があった日である。一夜にして原爆災害並みの犠牲者をだした空襲であり、人類史に残るできごとでありながら、今では話題にされることもない。
                                                    
2022年3月8日の本ブログに、「3月10日の東京大空襲と3月11日の東日本大震災」なる記事を投稿しているので、その記事をここに再掲したい。
                                                   
「3月10日の東京大空襲と3月11日の東日本大震災(2022.3.8)」再掲
                                                   
3月11日が近づくと、東日本大震災に関わる記事が目立つようになる。あの地震から11年が経ったとはいえ、その記憶が生々しいだけでなく、大災害が残した爪痕は大きく残っている。もしかすると、50年先にも原発事故の影響が残っているかも知れないのだが、多くの人にとって、災害は歴史上のできごとになり、切実な体験として記憶する人は少なくなるだろう。この国が77年前の3月10日に体験した、東北大震災よりはるかに大きな犠牲をもたらした災害が、ほとんどの人に思い起こされる事がないように。
                                           
昭和20年(1945年)3月10日の未明に、東京はアメリカによる大空襲を受け、ひと晩で10万人が犠牲になった。アメリカは犠牲者を多くするために、東京の中でも人口密度が高く、木造の住宅が密集している下町地域に、住宅を燃やすための焼夷弾を投下したのである。東京をはじめとする主要都市のほとんどが空襲され、全国の犠牲者は50万人以上(調査データによって差異あり)に達したという。日本軍も中国の重慶に対して無差別爆撃を行っているが、アメリカのそれは度を超している。戦時の狂気がもたらしたものとはいえ、原爆攻撃同様に、人道に反した行為である。
                                                                                                                                                  
広島や長崎の原爆災害については、今も平和式典が開催されているが、原爆と同等の犠牲者を出しながら、3月10日が近づいても、東京大空襲が話題になることはない。毎年3月9日か10日の朝日新聞「声」に、作家の早乙女勝元氏の東京大空襲に関わる投稿記事が載る。3月10日の東京大空襲を体験した早乙女氏は、大空襲の語り部として活動し続け、今月で90歳になられるという。今年はどんな記事を投稿されるだろうか。
                                                  
3月の朝日新聞の投稿欄「声」には、毎年のように、東京大空襲に関わる早乙女勝元氏の記事が掲載された。2022年5月に亡くなられたが、投稿回数は30回に及んだという。


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