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アメリカという国の復元力 [政治および社会]

朝日新聞の朝刊に特派員メモという欄がある。9月12日に掲載された記事は、ワシントン特派員の金成隆一氏による「杖ついてでも路上に」である。その記事をここに引用させてもらうことにした。


朝日新聞朝刊(9月12日)の記事「杖ついてでも路上に」より引用

  彼女は疲れ切っていた。路上で声をかけると、しんどそうに立ち止まった。高齢の彼女が手にしていたプラカードには、「卑俗な売国奴を弾劾に」との強い言葉。
  この日、ワシントンで白人至上主義者の集会があった。彼女の非難の矛先は、白人至上主義そのものではなく、彼等を明確な言葉で非難せず、増長させてきたとしてトランプ大統領に向いていた。
  白人至上主義者は15人ほどだが、抗議する側は数千人に膨れ上がり、中には乱暴で興奮ぎみの者もいた。警察官との小競り合いも起きた。ヘルメットをかぶる取材者が少なくない状態だ。
  それでも参加した理由を、こう語った。「今日ここに来なければ、私も問題の一部になる」。そして続けた。「トランプに反対だけど、何も行動しないという人があまりに多い。それでは現状を認めることになり、あなたも問題の一部になる」「70歳が杖をついてでも路上に立たないといけないほど、米国は危険水域に達している」
  一歩一歩ゆっくりと立ち去った。その後ろ姿に、この国には確かな復元力がある、と感じた。(引用おわり)


朝日新聞の記者はデモの参加者や老婦人の心意気に、「この国には確かな復元力がある」と感じたようである。


トランプ大統領を卑俗な売国奴と呼ぶ老婦人は、「トランプに反対だけど、何も行動しないという人があまりに多い」と言ったという。そうであろうと、政権を批判する集会が多発するアメリカは、日本に比べて健全なところがあると言えそうである。


8月19日に投稿した「日本のアメリカ属国化を目指す政治家とは?」に書いたように、「きっこのブログ」のきっこさんは、公然と安倍首相を売国奴呼ばわりしているのだが、この国では安倍弾劾の声は起こらず、支持率もさほどには下がらない。独善的な安倍晋三政権のもとで、憲法を無視する法律が幾つも制定され、公文書の改竄や隠蔽がなされているのに、国民が大騒ぎすることはない。


自民党の総裁選挙では圧倒的に安倍支持が多く、石破氏を支持する国会議員は少数らしい。国会議員を選良と呼べるのは、どこの国のことであろうか。

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