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「サンダース」の出現が待たれる日本の現状 [政治および社会]

アメリカの大統領候補指名選挙に決着はついたが、バーニー・サンダース候補はまだ戦っている。勝ち目がないとわかっていながら戦い続けるのは、政治に対する思いを伝えたいからであろう。そのサンダース氏に多くの若者たちが賛同し、サンダース現象と呼ばれる状況が作り出された。

クリントンの勝利に終わるにしても、サンダースが口にした言葉の多くは、アメリカに好ましい影響を遺すのではなかろうか。強欲資本主義がはびこり、社会の歪に対する不満と怒りが充満しているかぎり、社会主義者を自称するサンダース氏のような政治家が、一定の支持を集めることになるだろう。

アメリカほどではないにしろ、自民党政治がもたらした格差社会が、この国の将来に暗雲を招き寄せている。国債残高はいまや1000兆円を超え、国民一人あたりの借金が800万円を超えているという。憲法を蔑ろにする安倍政権が、いまだに高い支持を得ている。このような事態に敏感であってしかるべき若い世代は、どうしたわけか、その多くが沈黙したままである。選挙権が18歳まで引き下げられた今度の参議院選挙で、若い世代の投票率がどの程度になるのか。将来を託すべき若い世代の棄権が多いままでは、この国の将来は暗いものとなろう。

安保法制にかかわる SEALDsの活動が話題にはなっても、そこに加わる若者は微々たるものにすぎない。60年安保での学生運動や、高度経済成長時代の活発な労働運動が、その当時を知る私には懐かしく思われるとともに、今の若い世代に歯がゆさを覚える。この国の将来が託されている若い世代には、「サンダース現象」をもたらす主役になってほしいものである。

アメリカで起こっているサンダース現象は、若者たちがサンダースの言葉の力に動かされ、その政策と政治姿勢に共感した結果であろう。「サンダース現象」は「サンダース」の存在があってのこと。今度の選挙には間に合わなさそうだが、「サンダース」の出現が待たれる日本の現状である。



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