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日本が韓国人から馬鹿にされる日が来る? [政治および社会]

昨日12月20日のハーバービジネスオンラインに、「新自由主義に抗戦するフランス国民、沈黙する日本国民」なる記事(筆者は菊池英博氏)が掲載された。その記事は、 「このように日本国民の所得を低く抑えて大企業を儲けさせ、その利益は株主配当と役員報酬、内部留保になっており、国民の実質所得の伸びはマイナスである。なぜ日本国民はこうした暴挙を黙認しているのか。フランス国民に馬鹿にされないためには、選挙でこの悪政を変えさせることではないか。奮起せよ日本国民!」なる文章で締めくくられている。この記事に同感した私は、記事をここで紹介させてもらうことにした。興味を覚えられた方には、ハーバービジネスオンラインを訪問されるようお勧めしたい。


新自由主義に抗戦するフランス国民、沈黙する日本国民<菊池英博氏による、ハーバービジネスオンラインの記事を転載>

  菊池英博
   エコノミスト。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て1995年

    文京女子大学教授に。現在は日本金融財政研究所所長


  11月17日にフランスのパリで始まったデモは全土に広がり、終息の見通しが見えない。デモで国民が最初に訴えたのは「燃料税の引き上げに反対」であったが、これは不満の一部に過ぎず、本質的にはマクロン大統領の経済政策に国民が強硬に反対しているのだ。
 マクロンの経済改革は、典型的な新自由主義政策(グローバリズム)であって、「法人税を33%から25%へ引き下げる」「富裕税を廃止する(減税)」「年金所得者、低所得者にも課税する」「経営者が労働者を解雇しやすくするために労働法を改訂する」などだ。こうなると「低所得者から富裕層と大企業に所得が移転し」「企業ではリストラが進む」ことになる。
 マクロンの政策は、英国のEU離脱や米国のトランプ当選で発揮された反グローバリズムの潮流に逆らっている。18世紀末に自由・平等・博愛の理念を掲げて国民を苦しめてきた王政を打倒したフランス国民の血統は今日でも不断に流れており、フランス全土に広がっているデモはフランス国民の反グローバリズム行動の表れである。デモを沈静させるのは増税・リストラ法案の撤廃が必要であろう。


◆英米という新自由主義失敗事例

 新自由主義とは「国富を1%の富裕層と大企業に集約すれば、彼らの投資と消費が増えるので経済が成長する」「そのためには社会保障費は最低限に抑え、労働法を改訂して解雇を自由にし、賃金を極力圧縮する」という考え方(イデオロギー)であり、最初にこの政策を取り入れたのが1979年からの英国のサッチャー首相と1981年に就任した米国のレーガン大統領であった。

 その結果、両国ともに財政赤字は拡大し、国民の所得格差が拡大して社会が分断され、米国は債務国に転落して国家が危機的な状況になってしまった。英国のEU離脱と米国のトランプの大統領就任は、こうした新自由主義の流れを国民が直接投票で変えようとした行動の結果である。


◆日本も新自由主義で貧富差拡大だが沈黙する国民

 日本で新自由主義を取り入れたのは2001年4月に就任した小泉純一郎首相であり、小さい政府、規制緩和、社会保障費圧縮などの構造改革を進めた。構造改革で貧しくなってゆくことに気が付いた国民は、新自由主義政策からの脱皮を期待して2009年9月に政権交代を実現させ、民主・国民・社民の連立政権に期待した。
 ところが野田佳彦氏が首相になると、「4年間は消費税を上げない」という選挙中の国民との約束を破り、自民・公明と三党合意を実現させて、「消費税を10%に引き上げて法人税を5%下げる」という典型的な新自由主義政策を取り入れた。
 2012年12月の選挙で政権に復帰した自民党の安倍首相は、「(法人税の最高税率を25%に引き下げたうえでさらに)地方税を含む実行法人税を現行の36%から29%台に下げる」「日本を企業が最も儲けやすい国にする」「人件費を1割、削減する(経団連の要求)」「規制緩和を徹底して生活基盤まで破壊する」「金融を超緩和状態にする」という政策を採っている。その結果、日本はどうなっているのか。
 厚労省のデータによれば、2013年から2017年までの実質所得(1世帯当たりの平均所得額)は5年で80万円減収(年収で16万円の減収)となった。内訳をみると、消費税3%の増税(これで消費者物価は2%上昇する)による減収は5年で60万円(年収で12万円)となり、残りの20万円(年収で4万円)は円安に輸入物価高によるものである。
 さらにこの5年間で雇用者数は370万人増加したが、正規社員は26%の増加に過ぎず、非正会社員が73%も増加し、雇用は不安定化している。同期間の名目GDPは492兆円から546兆円に52兆円増加しているが、32兆円は計算方法を変えた底上げであって、実態は5年間でわずか20兆円(年成長率0.8%)の増加に過ぎない。さらに安倍内閣は海外から労働力を導入して日本人の所得を抑えようとしている。
 一方、上場企業の2017年度の役員報酬合計は、2010年度と比べて31%も増加している(東京商工リサーチ調査)。

 このように日本国民の所得を低く抑えて大企業を儲けさせ、その利益は株主配当と役員報酬、内部留保になっており、国民の実質所得の伸びはマイナスである。
 なぜ日本国民はこうした暴挙を黙認しているのか。フランス国民に馬鹿にされないためには、選挙でこの悪政を変えさせることではないか。奮起せよ日本国民!


安倍政権はアベノミクスの成果を誇示しているが、その実態は菊池英博氏が指摘しているように、国民を犠牲にして成り立っている。安倍政権は独善的な政策を推し進め、国民を犠牲にし、アメリカの言いなりに膨大な軍備品を購入し、憲法無視の立法をごり押ししている。このような政治を打開して、日本の政治を好ましいものとするためには、幾度かの政権交代を繰り返す必要がある、と私は思う。政権運用に不慣れな野党に政権が渡れば、政治がもたつくことも起こり得るのだが、より良い国にしてゆく過程として、それを見守る度量を持ちたいものである。


菊池英博氏は言う、「なぜ日本国民はこうした暴挙を黙認しているのか。フランス国民に馬鹿にされないためには、選挙でこの悪政を変えさせることではないか。奮起せよ日本国民!」と。この言葉に同感する日本人も少なくないはずだが、安倍政権が崩壊する日はまだ先になりそうである。12月17日に投稿した記事「自民党が犯した罪・・・・・・多数の国民を貧困にしたこと」に書いたように、韓国では平均賃金が上昇しており、一部では日本を追い越しているようである。 自民党と安倍政権を容認したままでは、フランス国民だけでなく、隣の韓国国民からも馬鹿にされるだろう。経緯や形態はともかくとして、韓国ではときおり政権が交代しているのだから。

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