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田中角栄元首相の言葉を思う [政治および社会]

安倍政権と菅政権はいずれも、狭量かつ独善的であり、法を無視してはばからない。過去の自民党政権は、国会で絶対多数であっても、堂々と法をないがしろにすることはなかった。今の自民党を見ていると、田中角栄元首相の言葉が思い出される。


というわけで、2018年1月25日に投稿した記事「安倍首相を危惧するあの世の田中角栄」を再掲したくなった。


「安倍首相を危惧するあの世の田中角栄(2018.1.25)」を再掲


朝日新聞朝刊の一面に「折々のことば」なる欄がある。きょう(2018.1.25)そこに掲載された言葉を、そっくりここに引用させてもらうことにした。

朝日新聞の「折々のことば(2018.1.25)」より引用

「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない」(田中角栄)

「だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」と続く。元総理は新人議員たちにこう語ったと、実業家で元中国大使の丹羽宇一郎が近著「戦争の大問題」に記す。跨ぎ越してはならない線がどこかを教えるのは、体験の重しである。丹羽の引いたこの言葉、雑誌「通販生活」本年春号の表紙を飾ってもいる。   (引用おわり)

田中元首相が語りかけた新人議員たちは、おそらく、その多くは戦前に生をうけた人であろう。それから数十年が過ぎたいま、国会議員の多くは戦後生まれであり、安倍首相もそのひとりである。その安倍首相のもとで、特定秘密保護法と安全保障関連法に続き、共謀罪法あるいはテロ等準備罪法とも呼ばれる改正組織犯罪処罰法が制定された。集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法は、憲法を蔑ろにした法律であり、当然ながら歴代の自民党政権によって否定されてきたものである。数をたのむ安倍政権は独善的に、政治の有り様を歪めているとしか思えない。

安倍政権による集団的自衛権行使のための安全保障法制改正案に対して、同じ自民党でありながらも、戦前を知る多くの高齢議員たちは反対の意志を示していた。そのひとりである亀井静香氏は記者会見の場で、「日本が戦争に負けて以来、ある意味で最大の危機に直面しているという点で認識が一致している」と語り、元自民党副総裁の山崎拓氏は同じ場で、「私たちの共通点は、戦前生まれであるということ。我々がじじいだからといって、黙っているわけにはいかない」と語ったという。

自民党から戦争を知る政治家がいなくなり、田中元首相が危惧した状況になっている。安倍政権を見ていると、田中元首相の危惧がすでに現実になっており、このままに推移するなら、好ましからぬ日本に導かれるのではないかとの不安がよぎる。あの世の田中角栄氏はあのダミ声で、安倍首相を叱っているのではなかろうか。戦争を知る自民党の長老たちが声をあげ、国民に向かって警鐘を鳴らしてくれないものかと思う。元首相の小泉純一郎氏は原発廃止論者に変身し、細川護煕元首相とともに積極的に活動している。この国の将来を想う政治家ならば、古巣の自民党であろうと、その有り様を責めてほしい、と願っている。
                                                   
亀井氏や山崎氏は安倍批判の声をあげたが、政道からはずれている菅政権に対して、自民党内からは批判の声が聞こえない。小選挙区制ゆえに総裁や幹事長を批判しにくい、というのであれば、この国には小選挙区制が不適ということになる。心ある自民党の長老たちが、この国の将来のため、思い切った行動に出てくれないものか、と思う。

  




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