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「人生の暗号」なる興味深い書物 [人生]

「人生の暗号」なるおもしろい書物を読んだ。著者は世界的に著名な分子生物学者であり、元筑波大学教授の村上和雄氏である。

 

村上氏が定年を間近にして著されたこの書物には、分子生物学者として関わった学問に関する記述や、研究のあり方や研究者の心構えに関わる記述が多いのだが、最も伝えたかったのはSomething Greatの存在と思われる。表紙に記されている書物の副題は「あなたを変えるシグナルがある Something Great」となっている。

 

人の設計図は32億もの科学文字で書かれており、それを書物にたとえると、1ページ1000語で1000ページの大百科事典3千2百冊分に匹敵するほどの分量になるとのこと。その膨大な情報が書き込まれたDNAによって人は生かされている。その遺伝子暗号は、顕微鏡で一億倍に拡大しても読めないような超微細な文字で書かれているという。村上氏はこの書物とは別のところで、「この万巻の書物に匹敵する情報は誰かの手によって書かれたはずだが、書いたのは人間ではない。人間を遥かに超えた何ものか、つまりサムシング・グレートによって書かれたとしか言いようがない、というのが私の実感です。それゆえに生命の神秘を司る存在を、サムシング・グレートと私は呼ぶことにしたのです。」と書いておられる。

 

村上氏によるこの「人生の暗号」は、研究者を目指す人の参考になり、研究に関わる人を励ますはずの書物だが、科学研究と関わりのない人にもお薦めしたい書物である。


20年あまり以前に出版されたこの書物を、私は図書館で借りたのだが、この書物を蔵書にしている図書館は、ネットで調べた内の半分ほどである。「人生の暗号」以外の村上氏の著作は、多くの図書館が蔵書にしている。そのうちのどれかを、近いうちに読みたいと思っている。       


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