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早生まれによる不利から子ども救うには [教育]

「早生まれの人が損をしている現実(2023.4.16)に関連する記事です。



とくに小学校低学年において、早生まれの子どもは体力的にも知的にも圧倒的に不利な状況にある。1年ごとの年度で学年を構成しているかぎり、この状況が改善されることはない。今できるのは、現行制度のなかで早生まれゆえの不利を軽減することである。



スポーツの分野で活躍している人には、早生まれの人が少ないことがわかったという。小学生時代にその原因があるということだが、早生まれの人が不利な状況にあるのはスポーツの分野にかぎらないはず。小学校低学年で授業についてゆけず、そのまま落ちこぼされるような子どもがいる可能性がある。落ちこぼされないまでも、失った自信が生涯にわたって影響を及ぼし、ままならない人生を送る人がいるのかもしれない。



早生まれの子ども自身は、自分が不利な条件にあるとは意識していないと思われる。それを意識していなかろうと、不利な条件がもたらした好ましくない結果が、その子どもに劣等感をもたらし、人生に影響を及ぼす可能性がある。子ども自身にそれを防ぐことはできないのだから、親や教師が意を用いる必要がある。



ここまで書いたら、2016年12月5日に投稿した「子供の心理と学校での成績・・・・・・注目すべき実験の結果」を思い出した。子どもの心理が学業成績に及ぼす影響について書いたその記事を、ここに再掲することにした。



「子供の心理と学校での成績・・・・・・注目すべき実験の結果(2016.12.5)」再掲



子供たちの学校での成績は、心理的な要素によって大きな影響をうけるはずである。誰でも予想できることだが、そのことが小学校で実験によって確かめられたという。とはいえ、かなり以前にアメリカで行われたものであり、私が書物で読んで知ったのも、数十年も前のことだった。

  興味深いその実験と結果はつぎのようなものだった。

   ある心理学者がある小学校を訪れて、生徒たちに対してテストを行ったあと、学級担任に向かって告げたという、「このテストによって、これから成績が伸びるはずの生徒を知ることができました」と。

   心理学者は数人の子供の名前をあげたのだが、実のところは、それらは名簿から適当に選んだものであり、行ったテストも根拠のないものだった。にもかかわらず、そのとき名前をあげられた子供たちの成績は、それから次第に向上していった。

   そのような結果がもたらされた理由として、つぎのようなことが指摘されていた。心理学者の言葉を信じ込んだ担任教師から、「偉い先生が調べた結果、君はこれから成績が良くなることがわかった」と告げられた生徒は、自分は成績が良くなるはずだと思い込み、それによって実際に成績が良くなった。もうひとつ重要なこととして、心理学者から直接ではなく、担任教師を介して伝えられたことにより、より効果が強められる結果になった、と記されていた。

   きょうのブログにこんな記事を書いたのは、先頃読んだ「魂主義という生き方(高橋佳子著)」にも、この実験のことが紹介されており、印象深く読んだからである。この書物「魂主義という生き方」は、並の処世術やマニュアルとは次元を異にしたものであり、「人間が抱いている本当の可能性を引き出すこと」を主眼として、「誰しも抱いているはずの、この世に生まれてきた目的を、いかにしたら果たすことができるか」を指し示している。この書物には、人間の心がもつ力について記されている章があり、その一部に上記の実験に関わる文章が記されている。

   本当のところは、「魂主義という生き方」なる書物について書きたかったのだが、その紹介はもう少し先にのばすことにした。高度なテーマを扱いながらも難解ではなく、むしろ読みやすいとも言えるのだが、誤りなく紹介するには準備不足の感がある。というわけで、今日はその中の一節のみを紹介した次第である。   (再掲 おわり)



早生まれの子どもは体力的にも知的にも不利だが、子ども自身に対処するすべはない。対処する努力は親や教師に求められるわけだが、現実にはほとんど考慮されていないのではなかろうか。早生まれの子どもの不利な状況を軽減するために、親と教師がそのことを認識して子どもに向き合い、子どもの成長に及ぼす心理的な要素をも考慮すべきではなかろうか。




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