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合唱団で歌ったハレルヤコーラス [音楽およびオーディオ]

  友人から届いたメールによれば、BS日テレには「こころの歌」なる番組があり、フォレスタという合唱集団が出演しているとのこと。テレビの歌番組を見ない私には、まったくなじみのない名前です。
  ユーチューブで検索してみたところ、フォレスタに関わるたくさんの動画があったので、聴き慣れている歌の幾つかを聴いてみました。
  洗煉されたその歌唱には、たしかに人を惹きつけるものがあります。この場合の「人」はおもに中年以上の年代と言えますが、このグループには若いファンもいることでしょう。
  合唱の魅力に惹きつけられるひとは多いようです。年末が近づいてきますと、各地でベートーベンの第九が演奏されますが、かなりの一般人がその合唱に加わっていると聞きます。

  今の私を知る知人たちには意外でしょうが、私はかつて合唱団に入ったことがあります。とはいえ、臨時に編成された高校の合唱団でした。
  高校1年の秋か初冬の頃でした。音楽の時間が終わると、担当の蔵清蔵先生(注1)から「松江で開かれる高校生の音楽会(注2)でハレルヤコーラスをやりたいので、希望する者があれば参加してほしい」と聞かされました。好奇心の強い私はその言葉に惹かれ、隣席の友人に呼びかけて一緒に参加することにしました。
  それからの数週間(一週間あまりだったかも知れません)、放課後の音楽教室で、混声4部合唱の練習に加わりました。男の団員が20人ほどだったのに対して、女の方は2倍以上の人数でした。(注3)
  蔵先生に代わって上級生の米山道雄さんが指導されることがあり、意外な感じを受けましたが、しっかりした指揮ぶりに違和感は覚えませんでした。初めて体験する合唱で、私はバスの声部を歌うことになりました。中学校の授業で教えられたので、楽譜を読むことはできましたが、それにまして役立ったのは、いうまでもなく練習に際して受ける指導でした。
  松江市公会堂での催しには、島根県内の幾つかの高校が参加していましたが、それがどんな名称で行われていたのか、私にはまったく記憶がありません。記憶に残っているのは、指揮をとられた蔵先生の表情と自分たちのハーモニー、客席にもどって聴いた幾つかの歌声、そして、友人と交わした言葉だけです。私は前から3列目で歌いましたが、その他大勢の合唱団の一員ということもあり、少しもあがることなく、ひたすら指揮者を見ながら歌いました。
  同じような状況で、それ以降にも「天地創造」と「カルメンの闘牛士の行進」を歌っていますが、それがいつだったのか思い出せません。ハレルヤコーラスを歌った次の年だったのでしょうか。ささいなことを記憶しておりながら、それより重要と思われることを思い出せないのだから、記憶とはほんとうに不思議なものです。これを書きながら思いました。日記をつけていたなら、それを読み返すことで詳細な記憶が蘇るだろうに。
 高校を卒業してからは音楽に関わることなく、聴いて楽しむだけで今に至っています。私は技術者としての人生を過ごしてきましたが、合唱の練習を指導された米山さんは音楽の道を歩まれ(注4)、今も現役でご活躍とのこと。蔵先生は米山さんの才能を認めて練習を任されたわけですが、島根大学学術情報リポジトリなるサイトに、蔵先生のピアノに関する三つの論文が掲載されていることがわかりました。温厚なクリスチャンだった蔵先生は、天国でピアノを奏でておいでかも知れません。
   
   今日のブログは友人からのメールで知った、話題の合唱集団フォレストについて書くつもりでした。ところが、「第九」の合唱について記すと昔のことが思い出され、自分の思い出話を記す結果になりました。ブログを書いていると、このような文章を記すこともある。そんな想いを抱きつつ、今日のブログを終えるとします。 

(注1)蔵清蔵
昭和28年当時の出雲高校で音楽を担当。最初の授業が始まる前に、先生は黒板に自分の名前を書いて、「上から読んでも下から読んでも蔵清蔵です」と自己紹介された。ある日の授業で先生はピアノを弾いてくださった。私が初めて聴くことになった「エリーゼのために」を、ピアノ音楽も良いものだなと思いつつ,弾き終わられるまで耳を傾けた。

(注2)昭和28年の秋に行われたはずだが、音楽会の名称は思い出せない。

(注3)あいまいな記憶にもとづく推定

(注4)この文章を記すに際してネットで調べたところ、米山道雄さんは作曲家になり、島根県の音楽教育に貢献されただけでなく、出雲芸術アカデミーの学長として、今なお現役で活躍しておられるとのこと。

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