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綱引き競技におけるリンゲルマン効果 [教育]

先日の記事「子供の心理が学校での成績を決める」に出てくる「魂主義という生き方(高橋佳子著)」なる書物の中に、次のような興味深い記述がある。

ドイツの心理学者リンゲルマンは、綱引きをする際に、綱を引く人数と綱を引く力がどのような関係にあるかを実験的に調べた。その結果、綱を引く力は、ふたりで引く場合には一人で引く場合のほぼ2倍、4人の場合はほぼ3倍、8人の場合は4倍となった。ようするに、綱を引く力は人数に比例せず、人数が増えれば増えるほど、一人ひとりの持てる力が発揮できなくなることがわかった。これは「社会的手抜き」と呼ばれる現象であって、リンゲルマン効果とも呼ばれるという。今から100年も前に行われた実験とのことである。

「魂主義という生き方」の終わり近くに、「因縁側に立つことを志しても、そこにとどまることは容易なことではありません。私たちの中にある依存心が、スキを見つけては頭をもたげるからです。理由を探して、すぐに果報側に落ちてしまうのです」なる文章があり、その後に、上記の実験に関わる文章が記されている。ここに出てくる「因縁側」および「果報側」のいずれも、この書物における重要な言葉であり、人が生きてゆくうえで極めて重要な概念であるが、短い言葉での説明は難しい。いまでも書店で購入できるので、この書籍「魂主義という生き方」をお読みになられるようお奨めしたい。人生を意義あるものにしたいのは全てのひとの願いであり、指南書と呼べる書物も数々あるわけだが、「魂主義という生き方」は類書の中でも抜きん出たものに思える。多くの人に読んでもらいたいものである。


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