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週刊誌に掲載される医学記事 [身体と健康]

週刊現代による一連の医学記事が波紋を起こしているらしい。インターネットで検索してみたところ、関連する記事がたくさん見つかった。医師によって書かれた記事も多いが、そのほとんどは週刊現代の記事に否定的である。週刊現代が医療記事を載せた号の広告には、センセーショナルな見出しと不安を煽る言葉が踊っていたから、それを見て現在の医療に疑問を抱いたひともあったに違いない。

「耳鼻科医の診療日記」なるブログを開設している医師は、「週刊現代の取材について〜記事捏造を告発する〜」なる文章を投稿しているのだが、その書き出しは次のような文章である。

  最近のことなのですが、週刊現代の記者から取材を受け、危うく捏造された医療批判記事の片棒を担がされそうになりました。講談社という大手出版社の名前に油断したのもあるのですが、巧妙かつ卑劣な手口でした。備忘録、また、同業者の皆様への警鐘として記事にします。
  長文ですが、目を通していただけると幸いです。
  8月23日12時頃、講談社 週刊現代の記者を名乗る男性より、医院に電話がありました。
K記者「耳鼻科の病気について取材したいと思い、ウエブ検索したところ、貴院のHPを見つけました。耳鼻科の疾患について詳しく記載しているので、先生からならば、詳しい話が聞けるかと思い、電話しました。取材させて欲しいのですが、受けてもらえますか?」

上記の文章に続いて、電話による長いやりとりの内容が記されている(録音された会話をもとにしたものと推察される)。その後に、記者からメールで送られてきた原稿案(週刊現代掲載用)のコピーが掲載されているのだが、その内容は、取材に際して語られた内容から大きくはずれたものである。その医師はあまりのことに驚き、記事の掲載を拒絶したとのこと。ブログの主は本名と病院名や所在地を明示しており、医師としてのブログ歴も長いことから、その記事も信用してよさそうである。

上記とは別の医師が自分のブログに、〈週刊現代の記事を読んだ患者からの質問が増えたせいで、その記事の問題点を説明するために時間をとられる。自分の説明で納得してもらえたはずなのに、週刊誌の記事に従って服薬をやめる患者があり、自分の言葉よりも週刊誌の記事が信用されていると思うと、自分の非力さに言葉を失う〉と記している。この医師が週刊現代の編集室員に対して、「おたくの記事で私はたいへんな迷惑を被っていますがどう考えていますか? ・・・薬を止めたせいで患者さんが病気になったらどうしますか」と問いかけたところ、記事の内容には自信を持っているなどと答え、さらに「記事を読んだ方がどう判断なさるかに関しては関知いたしておりません」と答えたという。

週刊誌の取材を受けた前記の医師が拒絶しなかったなら、その医師の言葉として権威付けされたまま、誤った記事が掲載されたはずである。ネットに見られる記事には誤ったものも多いらしいが、週刊誌など出版物に掲載された医療記事にも、安易に受け入れたら危ないものが多々ありそうである。とはいえ、週刊誌の医療記事にも真面なものはあるはず。医療記事にかぎらず、充分に心して読むべしということであろうか。


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