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舶来品が高級品の代名詞だった時代 [雑感]

私が中学生だった頃には、舶来品なる言葉は高級品を意味していた。家電製品や日用品に衣類など、様々な「舶来品」があったはずである。

日本が高度経済成長期を迎え、高品質の家電製品の輸出が増える時代になると、舶来品なる言葉を聞かなくなった。その一方で、家電王国アメリカのメーカーは、安価な日本製品におされて衰退していった。

20年あまり前にヨーロッパを訪れたとき、家電製品販売店のショーウインドウを飾っていたのは、日本のメーカー数社の製品だった。私が見たのはフランクフルトの販売店だったが、日本の製品がショーウインドウの殆どを占めていた。日本ではバブル経済が崩壊し、平成不況の時代に入っていたけれども、日本の家電製品が世界を席巻していたことになる。ところが、世界で今もっとも売れているテレビは、韓国のサムスン製品とのことである。エアコンや洗濯機などのいわゆる白物製品は、中国製品が世界を席巻しているらしい。携帯電話やスマートフォンも韓国勢に押されて苦戦しているとのこと。過去20年の歳月は、世界の経済環境が大きく変わるに充分な期間だったことになる。

日本でいま売れているテレビは主に国産品だが、安価な中国製テレビの評価が高くなったなら、その売れ行きは大きく伸びることだろう。パソコンについては以前から、「日本のメーカーはアフターサービスが良いから、とくに初心者は日本製を買う方が安心できるはずだ」と言われているが、私はこの言葉に疑問を抱いてきた。このような言葉に甘えていたら、日本製のパソコンに将来はないと思えるのだが。

10月26日の記事「家電製品の長寿命記録」に記したように、私が以前に使っていた富士通のノートパソコンは、製造後12年が経った現在も正常に動作しており、予備のパソコンとして使える状態にある。高い信頼性は製品価値が大なる証だが、使いやすさはそれに劣らず重要な要素である。そのためには良くつくられたマニュアルをつける必要がある。

2015年10月10日の記事「良くできたマニュアルは充実したサポートセンターに勝る価値あり」に記したように、最も勝れたサポートは、良くできた取り扱い説明書を準備することだと思う。電話などによるサポートに経費をかけるより、勝れた取説を作成する方が、ユーザーとメーカー双方にとって好ましいのではないか。ソフト製作会社とタイアップすることで、改善できるところは多いはず。海外メーカーに先を越されることがないよう、取説の改善に取り組んでほしいものである。このことは、携帯電話やスマートホン、さらには家電製品全般に言えることである。テレビやブルーレイディスクレコーダーさらには電気炊飯器にいたるまで、多機能化に伴って操作も複雑になっている。説明書がわかりにくいために、せっかくの機能を使いこなせない人も多いと思われる。

パソコンソフトの説明書では思うように使えないため、別売りのマニュアルを買ったことがある。それでも使い方がわからず、ソフトメーカーのサポートを頼ることにしたところ、いとも簡単に解決できた。マニュアルに少しの配慮がなされていれば、苦労しなくてすむはずだった。マニュアルができた段階で初心者に試用させれば、改善すべきところがわかるはず。さほどに時間をかけずとも、より良いものに改訂できるはずである。それによってユーザーの評価が高まるだけでなく、サポートに関わるメーカーの負担も軽減できる。

日本の製品は品質の良さで世界に受け入れられてきたわけだが、これからも世界各国における「舶来品」であり続けるためには、品質が韓国や中国の製品に勝るだけでなく、使いやすさの点でも勝れている必要がある。


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