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温泉の美肌効果に関する新聞記事に異議あり [身体と健康]

9月5日の朝日新聞夕刊に、「温泉の美肌効果 カピバラにも」なる記事が掲載されている。それによると、美肌の湯として知られる山口市の湯田温泉に、モルモットやカピバラを浸からせてみた結果、温泉による美肌効果は動物にもあることがわかったという。アルカリ成分によって皮脂が溶かされ、肌がすべすべになるというのだが、それは果たして美肌効果と言えるのだろうか。


たとえ見かけ上はきれいに見えても、アルカリ成分によって皮脂が溶ければ、皮膚にとってはマイナス効果であろう。アルカリで皮膚が冒されると表面はぬるぬるした感じになるわけだが、その結果として、あとで一時的にすべすべした感触になったとしても、皮膚は冒されたはづである。


アルカリ泉質の温泉が美肌効果をうたっているのであれば、化粧品にもアルカリ性のものがあるのではと思い、「化粧品 アルカリ性」で検索してみると、アルカリによる皮脂の除去や、皮膚の角質層を柔らかくする効果をうたった商品など、幾つもの商品が売られている。そのような製品を使い続けたなら困ったことになりそうだと想い、さらに調べてみたら、深刻な皮膚障害を来した例が示されていた。化粧品にも法的な規制はあるはずだが、いったいどうなっているのだろうか。


2016年1月5日に投稿した記事「シャンプーもセッケンも使わない入浴」に書いたように、私は入浴に際してシャンプーどころか石鹸も使わない。間もなく80歳になるけれども、日にさらされた腕には少し皺が認められるが、そのほかの皮膚に皺がないのは、シャンプーなどで肌を傷めていないからかも知れない。


夏の間は入浴の代わりにシャワーを浴びるだけだが、身体を拭いたタオルを濯ぐと水が濁るので、かなりの垢が付着していることがわかる。濡れた身体を拭く際に取り除かれるのは、皮膚にとって必要の無い垢と皮脂であり、皮膚にとって必要な垢や皮脂は肌にとどまるのかも知れない。垢や皮脂は毎日あらたに作られるわけだが、シャワーなどに際して取り除かれるのは、表層の古いものだけだと思われる。シャワーを浴びるたびに少しづつ取り除かれることから、そのように考えてよさそうである。


先日のことである。庭作業に際して蚊を防ぐために、腕などの露出部分に防虫剤をぬり、一時間ほど庭で過ごした後、薬剤を落とすために久しぶりに石鹸で身体を洗った。石鹸をつけたタオルを洗面器にもどすと、水の表面に多量の垢が浮かんだ。感覚的な印象だが、いつものシャワー時に見られる垢の十倍を超えそうな量である。にもかかわらず、後で肌を観察してみても、石鹸を使わない場合と変わるところはなかった。どうやらやはり、私にはシャンプーや石鹸は不要であるらしい。これからも、できたてホヤホヤの垢を無理やり取り除くことはしないでおこう。「垢も身の内」なる言葉もあるのだから。


というわけで、美肌温泉にしろ化粧品にしろ、さらにはシャンプーなどの入浴剤にしろ、皮膚にとって本当に有益なものかどうか疑わしい、と私は思っている。

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