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安倍晋三の首相としての資質 [政治および社会]

4月30日に行われた「退位礼正殿の儀」で、安倍晋三首相は「国民代表の辞」を読んだのだが、その最後の部分を、「天皇、皇后両陛下には末永くお健やかであらせられますことを願っていません」と読んだ。


官僚が作成した原文には、「天皇、皇后両陛下には末永くお健やかであらせられますことを願って已みません」と記されていたに違いない。


首相の誤読はネットの世界で話題になっており、「国民代表の辞」を読む場面を動画で見ることができる。安倍首相は「・・・・・・末永くお健やかであらせられますことを願って」まで読むと、「已みません」と読めないために読みよどみ、あらためて「願っていません」と口にしている。


安倍首相は過去にも、「・・・・・・云々」を「・・・・・・でんでん」と読んだり、「・・・・・・の背後に」を「・・・・・・のせごに」と読み間違えたことがあり、かなりの話題になったことがある。いずれの場合も官僚の作文を読み違えたものだろう。首相であろうと誤解や誤読があっても不思議はないが、有力な政治家であれば、ある程度以上の語彙力を持ってほしいものである。


国会の場や公式の場を前にして、下読み時点で確認しておきさえすれば、誤読は防げたはずである。歴史に残る「退位礼正殿の儀」を前にして、しっかり下読みをしていなかったのであれば、怠惰と無責任のそしりを受けるのは当然である。


下読みを確実に行えないほどに怠惰なのか、それとも、下読みをきちんと行えないような態勢になっているのか。いずれにしても、そのような政権には不安をおぼえざるを得ない。複雑な外交問題を、このような首相に任せてよいのだろうか。


ネットでは、安倍首相の誤読を失言としてとらえているが、失言ではなく、無知と怠惰の表れと考えるべきであり、安易に取り消せるものではない。独善的な政治姿勢、安保法制など憲法無視の立法、忖度政治の横行、文書改竄、アベノミクス破綻を隠すための統計の取り方の改変、国民に害をもたらすカジノ法の制定、外国人労働者を奴隷扱いする虞のある立法、党利党略の選挙戦術、自らの頭で考えないで官僚の作文を棒読みする首相。この国の政治家や首相が、官僚による作文に頼らず、自らの思いを口にする日が来るだろうか。


政権政党だから自民党政治家の失言が目立つとはいえ、保守系政治家の失言が多いのは今に始まったことではない。地方選挙区で権力志向を持つ有力者や、世襲でおされた者が候補者となり、当選した議員が多いからではなかろうか。知名度の高さが議員としての適格性を表しているわけではないのだが。


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