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東京オリンピックで活躍した放送機器・・・・・・テレビカメラが巨大だった時代 [雑感]

これまでの「ソネットブログ」から「SSブログ」に名称が変更になりました(10月1日より)。名称変更の理由はわかりませんが、ブログは従来通りに継続できるとのこと。この記事がSSブログとして最初の記事になります。


これまでに幾度か書いてきたように、私はかつてテレビを撮すための真空管(撮像管と呼ばれた)の一種であるビジコンに関わっていた。ビジコンは主に放送以外の用途に使われ(映画の放送にはビジコンが使われていたのだが)、スタジオなどからのテレビ放送には、イメージオルシコン(受光面の直径3インチ)なる大きな撮像管が使われていた。NHKが求める規格のものを作るため、その担当者はずいぶん苦労しており、歩留まりは極端に悪かった。そのような製品だったから、1本の価格が数十万円であった。就職して3年の私の給料が、まだ2万円程度だった頃である。


東京オリンピックではテレビが活躍し、カラー放送も行われたはずだが、撮影には随分苦労したと思われる。イメージオルシコンを3本使うカラーテレビカメラは巨大で重く、人が持ち上げられるようなものではなかった。そのために、キャスター付きの頑丈な3脚や、大きな雲台に設置されていた。


私が勤務していた芝電気(後に日立電子と合併)では放送機器も作っており、放送局用のビデオテープレコーダーも主力製品のひとつだった。東京オリンピックで初めて使われた録画映像のスロー再生は、芝電気製の装置によってなされたものである。印象に残っているのは、体操競技のスロー再生画面である。そのテープレコーダーも巨大なもので、乗用車に積めるサイズではなく、運搬には小型トラックを必要としたはずである。


今ではポケットに入るようなカメラで、高画質なカラー動画を録画できる時代になっている。数十年の間になされた技術の進歩に、今更ながらに驚かされる。技術がそこまで進んだのは、技術者たちが執念を燃やして努力し続けた結果である。


日本が誇ってきた高度技術製品には、アメリカなどで発明されたものを改善し、高機能化したものが多い。韓国や中国が同じようなやり方で日本を追い、いまでは低価格を武器に有利な状況になっている。欧米諸国で売れる家電製品が中国や韓国の製品になっても、日本では国産品への信頼度が高く、家電量販店に並べられているのは日本製だけだったが、最近は中国や韓国製のテレビや洗濯機が並ぶようにになった。その性能が日本製に劣らないとわかれば、安価なそれらが売れ行きを伸ばすだろう。


アメリカには有名な家電製品メーカーが幾つもあったが、躍進した日本製品によって衰退し、ついには家電製品から撤退するに至った。その歴史を知る日本の家電メーカーは、当然ながら対処すべく手をうっているにちがいない。


ここまで書いてきたら、かつて投稿した記事「技術開発をチームで推進する場合の問題点・・・・・・私の経験より(2015.8.27)」を思い出した。技術大国であり続けるために、技術者たちの自由な発想を抑圧しないでほしいものだが、企業の実態はどうであろうか。企業におけるパワハラが、未だに報じられることを思うと、日本の行く末に不安をおぼえる。価値あるものを創造すべく、執念を燃やしている研究者や技術者も多いはずゆえ、技術立国日本に希望をもてるのだが。


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