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マッカーサー顕彰施設が計画倒れになったいきさつ [政治および社会]



戦後の日本を統治したGHQ(敗戦後の日本を占領統治するために置かれた組織「連合国軍最高司令官総司令部」の略称。昭和27年4月、日本の主権回復に伴い解散された)のマッカーサー総司令官に対して、多くの日本人が感謝と敬意の念を抱いた。そのマッカーサーはトルーマン大統領によって解任され、アメリカに帰ったのだが、日本人の彼に対する感謝と敬意の念は変わらなかった。その結果、マッカーサー記念館やマッカーサー灯台、あるいはマッカーサーの銅像などの建設が計画されて、募金活動が行われたという。


マッカーサーに対する感謝の念はそれほどまでに強かったのだが、マッカーサーが「日本人はまだ12歳の少年だ」と語ったことが伝わると、その真意が曲解されて、日本でのマッカーサー人気は急降下した。それにともない、マッカーサーを顕彰すべく計画されていた企画の全てが取りやめになった。


「日本人はまだ12歳の少年だ」なる言葉は、アメリカ議会での質疑応答に際して発せられたのだが、それを伝えたマスコミが、その言葉の前後のやりとりをも伝えていたら、日本での受け取られ方は異なっていたはずである。それはともかくとして、その言葉が伝えられたとき、マッカーサーに対する見方が逆転したことに、付和雷同しやすい日本人の傾向が顕著に表れているように思える。戦前には軍部の言葉に踊らされ、戦後の民主主義社会になって久しい今でも、選挙では深く考えないまま、政治家が口にする言葉に操られている。小泉純一郎のワンフレーズ「自民党をぶっ壊す」「骨太の方針」。安倍晋三の「アベノミクス」「骨太の方針」「3本の矢」。


将来にわたって国民の政治意識が変わらないままに、現在の自民党が主導する形で憲法が改変されたなら、いつの日か、国民が後悔する事態に導かれるかもしれない。


3月17日に投稿した「田中角栄元首相が危惧した戦争の記憶を持たない政治家」で紹介した田中角栄元首相の言葉「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」なる言葉が真実味をもってきた今、そのことに意を向ける政治家がどれほどいるのだろうか。自民党内でその言葉を気にかけているのは、ごく一部の議員と、引退した高齢の元議員だけのようである。


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