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日本が降伏した際に「戦争に負けてよかったね」と言った日本人たち [政治および社会]

朝日新聞には「語り継ぐ戦争」なる連載記事がある。随時に掲載されるこの記事は、現在98回まで続いている。第98回の記事は、元日本福祉大学教授森靖雄氏の回想であり、タイトルは「『負けてよかったね』に仰天」となっている。

その記事の後半に次のような文章がある。


 玉音放送は、学校前の店のラジオで聞いた。周りの大人の様子で意味が分かり、駆け戻った。途中で近所の女性が2人、立ち話をしていた。
「負けたよ」と言うと、「知っとるよ」。その後の言葉に仰天した。
「負けてよかったね」
「勝っていたらみんな死ぬまでやめないもんね」
 帰宅すると、母まで「終わってほんとによかった」と言った。
 戦争中は「諜報に警戒しろ」と厳しく言われ、特高警察が怖かった。子どもにもうかつなことは言えなかった。終戦で本音が出たのか。


永井荷風は日記「断腸亭日乗」に、このような趣旨の文章を記している。「アメリカと戦っても勝てるはずがないのだから、なるべく早く負けてほしい。日本のためにはそれが好ましいのだから


戦争の末期には、永井荷風にかぎらず、日本人の多くは敗戦必至と思っていたことだろう。それにもかかわらず、日本は多くの特攻隊を出撃させ、「一億総特攻」「撃ちてし止まん」「本土決戦」の標語をかかげて戦い続け、都市の多くが焼かれ、ついには原爆被災を蒙り、ソ連の参戦を招くに至った。


今の日本では思想と言論の自由が保証されているはずだが、社会のあちこちで自由が束縛されている。生徒を固定概念思想に追いやる校則、放送内容への政治による干渉、前近代的な社則、良心に背いて改竄を強いられる官僚の世界。そのような世相に異を唱える政党が、広く支持される日が来てほしいものである。

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