SSブログ

「偶然の出逢い」に関する思い出のひとつ [人生]

偶然の出逢いを体験した思い出の数々を投稿してきたのだが(末尾にそれらを列挙しておく)、私にはまだ類似の体験があった。東京の日野市で暮らしていた50年ほど前のことである。ある日、見知らぬ人から電話があって、「・・・さんですね。こちらは・・・ガソリンスタンドですが、置き忘れたメガネがありますから、取りにきてください」と言った。
 まだ車を持っていなかったから、ガソリンスタンドに立ち寄ったこともなかった。念のために訊いてみると、メガネのケースに名前が書いてあり、私の姓が記されているとのこと。私の姓はありふれた漢字とはいえ、やや変わった読み方をするので、電話で最初に告げられたときの発音は、正規の読み方ではなかったのだが、確かに私と同じ姓だとわかった。そのガソリンスタンドの店員は、電話帳で私の名前を見つけ、わざわざ電話を掛けたとのことだった。


 出雲出身の私の姓は、全国的には少ないほうである。故郷を出てから60年あまりの間に、初対面の人からまともに読んでもらえたのは、記憶しているかぎりは3回だけである。そのような、私と同じ姓をもつ人が、ガソリンスタンドにメガネ(おそらく老眼鏡であろう)を忘れ、私が上記のような電話を受けることになった。メガネの主と会ったわけではないが、ガソリンスタンドの店員の声と言葉は、今でも記憶に残っている。
                                          



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。