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「意味のある偶然の一致」に関する追加記事 [人生]

旅先などで知人と邂逅するような体験を繰り返す人がいる。私もそのひとりであり、体験してきたことを本ブログに投稿している(記事末尾の付記1参照)。人と出会う体験ではないが、私には次のような体験もある。


数年前のことだが、ミシンが重くて使いにくいと妻が言うので、最近の軽いものに買い換えることにした。
 ネットであれこれ調べていると、HS201という型式のミシンが見つかった。ブラザー製のその製品名を見た瞬間に、私は懐かしい思いがした。
 私は入社した電機会社で、テレビカメラに使用する撮像官(付記2)の改良に取り組んでいた。アメリカのRCA社(付記3)とノウハウ契約を結んでいた他社は、改良型の高性能な製品を作っていたが、RCA社とノウハウ契約を結んでいなかった私の会社では、低感度の製品しか作れなかった。
 入社した当初、私は検査部門に配属されていたのだが、測定データを毎日見ているうちに、自分で特性を改善したくなった。そのことを申し出たところ、検査部門に所属したまま、性能を改善するための実験をさせてもらえることになった。その結果、RCA社の製品に勝る感度の製品を開発することができた(付記4参照)。その製品を品種登録することになり、私が名付けたのがHS201だった(インターネットで再会!・・・・・・自分がかつて開発した製品の写真に(2016.11.6))。(後にはHS202やHS270など、電極形や管径の異なる製品も登録された。)
 暗証番号には数桁の文字や数字の組み合わせが用いられる。5桁であれば、偶然にそれを見つけられる確率は極めて低いはずだが、撮像管のHS201と同じ型名のミシンがブラザーミシンの中にあった。価格COMで調べてみたら、ブラザーのPS202なるミシンの売れ行きがよく好評であったが、自分が名付けた撮像管と同じ型名をもつ、PS202の後継機種であるHS201を買った。
 このブログを書くに際して、価格COMを覘いてみたら、古い形式のPS202はまだ出ていたが、どういうわけか、HS201は見られない。どうやら製造は終わっているようだが、購入したHS201は快調に使えているので、製品に問題はなさそうである。
 この記事を書いているうちに、「意味のある偶然の一致」に関わる他の体験を思い出した。明日の投稿記事にその体験を書こうと思っている。
                                                   
付記1 
旅先などで知人と邂逅した体験など、「意味のある偶然の一致」に関する投稿記事
                                                   
付記2 撮像管
テレビカメラのレンズを通して作られる光学像を、テレビ用の電気信号に変える真空管であり、テレビの黎明期からその黄金時代に至るまでを支えた。昭和30年代に使われたのは、イメージオルシコンとビジコンの2種類であったが、昭和50年代になると、新しく開発された幾種類もの撮像管が、用途に応じて使いわけられていた。半導体による撮像板の実用化に伴い、昭和60年代には半導体素子に切り替えられていった。なお、撮像管は真空管の仲間とはいえ、光学像を電気信号に変換するための部分には、半導体同様に固体物理に基づく技術が関わっている。
                                                   
付記3 RCA社
  テレビの歴史に名を残す会社で、撮像管やカラーテレビの方式など、主要な技術の多くを発明し、実用化した。アメリカで1919年に創立されたこの名門企業は、ビデオディスクの開発に係わる膨大な出費と、その商品化にともなう商業的な失敗により、1986年には姿を消す結果となった。RCA は Radio Corporation of America の略称である。
  この会社が出していた赤い表紙の RCA Review  には、撮像管に関わる論文も数多く掲載されていた。ひとり暮らしのアパートにそのコピーを持ち帰り、夜おそくまで読みふけったことが懐かしく思い出される。小説「防風林の松」(
本ブログの左サイドバー参照)を書くに際して、主人公に同様の体験をさせることになった。
                                                   
付記4 技術開発に関わる私の体験を書いた記事の例
                                         
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      








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