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遠い記憶の曖昧さ [雑感]

本ブログに投稿した「インターネットで再会!・・・・・・自分がかつて開発した製品の写真に((2016.11.6)」と「自分の過去の仕事に関わる記事を発見(2021.4.18)」に関連する記事です。
                                                   
インターネットで見つけた記事「真空管【撮像管】物語」を覘いてみたら、私が関わったビジコン型撮像管の写真が追加されていた。数年前にそのサイト「真空管【撮像管】物語」を見たときは、HS201の写真しか紹介されていなかったのだが、いまは「7038/HS200」なる写真も載っている。メーカー名はシバデンとされているから、芝電気が日立電子に吸収合併される以前の製品である。7038/HS200とあるのだから、私がその開発に関わったはずだが、不思議なことに、HS200なる型式についての記憶があいまいである。
                                                   
私が勤務していた芝電気では、日立製作所でビジコンに関わっていた技術者を招いて、撮像管のビジコンを製造していたのだが、旧型の7038しか作れなかった。RCA社とノウハウ契約していた他社が作っていたのは、感度に勝れた後継品種の7735Aだった。
                                                   
私は入社してまもない社員だったが、感度を改善すべく実験を繰り返し、RCA社の7735Aに勝る感度の製品をつくった。RCA社とのノウハウ契約なしに開発したというので、品種登録することになり、HSシリーズとして登録された。そこに至る経緯を書いたのが、「インターネットで再会!・・・・・・自分がかつて開発した製品の写真に((2016.11.6)」である。4月18日の投稿記事「自分の過去の仕事に関わる記事を発見」に書いたように、その製品は日立レントゲン社のX線テレビ装置に採用された。
                                                   
電極構造や撮像管サイズの大きさにより、幾つもの型式を登録したのだが、記憶に遺っているのは、HS201、HS202、HS270である。
                                                   
前述の「真空管【撮像管】物語」には、HS201A(芝電気が日立電子に吸収合併されてからの製品ゆえに、呈示されている写真にはHitachiのロゴがついている)のほか、新たに7038/HS200なるビジコンの写真が追加されている。HSシリーズを開発し、品種名をつけることにも関わった私だが、7038/HS200として販売された製品にはまったく記憶がない。
                                                   
7038型より高感度のHSシリーズではあったが、比較的に感度の低い製品ができた場合(ビジコンの光電変換に使われる薄膜は、真空蒸着膜とアルゴン中での蒸着膜の多重構造であり、特性にはばらつきが生じやすく、HSシリーズにそぐわない製品もできた)、旧型の7038として売るために、7038/HS200とされたのかもしれない。「真空管【撮像管】物語」を見て、「そういえば、HS200なる品種もあったような気がする」とは思ったのだが、記憶は定かではない。HS200はともかく、7038/HS200として売られた製品があったことを、私は聞かされた記憶がない。営業にはまったく関わらなかった私には、その情報が伝わってこなかったのであろう。
                                                   
この記事を書いていると、仕事に取り組んでいた頃のことが思い出されるのだが、その品種登録にも関わったはずなのに、HS200については定かには思い出せない。私の記憶の世界には、もやがかかったり、消えてしまったものが、他にもたくさんあるのかもしれない。ありありと思い出せる記憶もたくさんあるのだが。

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