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興味ある書物「死は存在しない」 [人生]

田坂広志著「死は存在しない」を読んだ。著者が著名な科学者であることが、書名にまして私の興味を惹いて、この書物を購入させた。東京大学工学部で学び、原子力工学の専門課程で博士号を取得した人だという。書物に記されている経歴には、大学教授、シンクタンク、政府関係の公職などが記されている。
                                                                                                                                                 
幾度も投稿してきたように、私は霊魂が実在していることを知っている(付記参照)。そんな私には、この書物の前半部分には同意するところが多かった。後半部分は半信半疑の思いを抱きつつ読んだが、著者がこの書物に込めた思いは充分に伝わってきた。
                                                   
この書物の3章に、このような文章がある。
<もし、科学というものが、本来「世界の真実の姿を探求する」ことを目的とするものであるならば、むしろ、こうした無数に報告される「意識の不思議な現象」が、どのような原因で生まれてくるのかを、謙虚な姿勢で真摯に見つめ、探求し、仮設を立て、その検証に向かうべきであろう。それは永年、科学者と研究者の道を歩んできた一人の人間としての、筆者の思いでもある。
 そしてその思いのゆえに、本書で、筆者は、人類の歴史で無数に報告されてきた「意識の不思議な現象」が、どのような原因で生まれてくるのかについて、科学的な仮説を立て、説明を試みようと考えている。
 ・・・・・・現代の科学は、「科学で説明できないものは存在しない」とする立場を改め、謙虚に、真摯に、この「意識の不思議な現象」の解明に向け、新たな歩みを始めるべきであろう。
 そして、人類の歴史始まって以来、無数の人々が抱いてきた問い、「なぜ不思議な出来事が起こるのか」「なぜ神秘的な現象が起こるのか」「死後の世界は存在するのか」といった問いに、二十一世紀の科学は、あくまでも「科学的な立場」から、答えを示していくべきだろう。
 では、なぜ筆者は本書を通じてそのことを提言するのか。そして、本書を通じてその答えの方向を示そうとするのか。次の第三話ではその理由を述べよう。>
                                                   
上記の文章は、私がこれまでに投稿してきた記事の趣旨と通じる考え方である。そこに「意識の不思議な現象」と記されているのは、予感や予知、視線感応、以心伝心、共時性、霊的な感覚などをさしている。
                                                   
本のカバーには次のような言葉が記されている。
                                                   
筆者は本書を次のような「問い」を抱かれた方々に読んで頂きたいと思って書いた。
 ・「死」を直視すべきときを迎えている方々
 ・「科学」にも「宗教」にも疑問を抱かれている方々
 ・最先端量子科学の「仮説」に興味を持たれている方々
 ・人生で「不思議な体験」が起こる理由を知りたい方々
 ・肉親の「死」について切実な思いを抱かれている方々
 ・「死」についての思索を深めたい方々
                                                   
最先端科学が示唆する「死後の世界」の可能性
 これまでの科学は死後の世界の存在を否定してきた。それゆえ、死後の世界を肯定する宗教とは決して交わることがなかった。しかし近年、最先端量子科学が一つの興味深い仮説を呈示している。
 その新たな仮説は死後の世界が存在する可能性を示唆している。では、その仮説とはどのようなものか、どのような科学的理論か。もし、その仮説が正しければ、死後の世界とはどのようなものか。この死後の世界において、我々の意識はどうなっていくのか。もしその仮説が正しければ、それは、この人生を生きる我々に何を教えるのか。
 もし、この仮説が正しければ、科学と宗教は融合してゆくのか。  
                                                   
表紙には「最先端量子科学が示す新たな仮説」とある。ゼロ・ポイント・フィールド仮説なるその仮説に基づいて、死語の世界などが論じられているのだが、読むひとによって受け止め方は様々であろう、という気がする。興味深いその仮説が、著者自身が望んでいるように、科学者や哲学者たちにとりあげられ、検証されるよう願っている。
                                         
付記
科学で説明できないことがらについて投稿した過去の記事

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