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雀の雛にも智慧がある [小鳥たち]

 鳩に餌をやり始めて間もなく、鳩にまじって雀も餌をついばむようになりました。冬期の雀の苦境を想い、春まで餌をやることにしました。
 餌やりを中止しようとした4月の中頃、雀が子育てをしていることがわかったので、しばらく様子を見ることにしました。
 春の連休が終わる頃、巣立ったばかりの数羽の雛が、親鳥に伴われてやってきました。雛たちは激しく羽根を振るわせながら、けたたましい声で親に餌をねだり、口移しに餌をもらいます。そのような情景が見られるのは最初のうちだけで、しばらく経つと、雛たちは自分で餌をさがすようになります。その頃になると、草の実や虫が増えていますので、徐々に餌を減らしました。いつのまにか雀たちは寄りつかなくなりましたが、餌をもらっていたことを憶えていて、年末になるとふたたび庭に来て、餌を催促しました。それ以来の10余年、冬から春にかけて、雀に餌をやり続けています。
 今年の5月にも、数組のつがいが雛をつれてきましたが、去年までとは明らかな違いが見られました。兄弟のいない雛は、餌をねだるに際して羽根を振るわせないようです。雛が羽根を振るわせるのは、他の雛に先駆けて餌をもらうためであり、兄弟雛が無い場合には、その必要がないということでしょう。生をうけて数週間の雛にも、それだけの判断力がそなわっていることになります。
 もしかすると、本能的に見える動物たちの振る舞いのなかには、判断力や智慧にもとづくものがあるのかも知れません。雀の雛の振る舞いを見て、そんな想いを抱きました。


鳩の子離れ [小鳥たち]

 名古屋の近郊とはいえ、家から10分も歩けば田圃が拡がる土地柄ですから、いろんな鳥が庭を訪れてくれます。
 10余年前の冬の日、一羽の鳩が庭をうろついていました。狭い冬の庭に餌があろうはずはないのに、鳩は次の日もやって来ました。そんな鳩をふびんに思い、餌になりそうなものを撒いて様子を見ることにしました。待つことしばし、鳩は餌を見つけてついばみました。その日から10年あまりも、私たちは鳩と付き合うことになり、今ではその子孫を含む6羽が来ます。さらに鳩が増えると餌代が負担になりますので、鳩たちに可能なかぎり自活してもらうべく、方法を検討しているところです。
 5月に入って間もない頃、鳩の両親が巣立ったばかりの小鳩をつれて、いつものように餌をもらいに来ます。最初のうちは仲良く餌をついばんでいますが、やがて、親鳩がいきなり小鳩を追っ払います。山鳩には縄張りを持つ習性があるとはいえ、親鳩は決然と小鳩を追い出してしまいます。それでありながら、数日間は親子で一緒にやってきます。そして、最初の数分間だけ仲良く餌をついばむと、小鳩は追い出されます。追い出し役はどうやら母鳩のようです。そのようにして、小鳩は一週間も経たないうちに親離れします。春に見られる親離れの儀式です。
 餌をねだりに来る鳩たちは、いずれも親族のはずながら、互いに激しい縄張り争いを繰りひろげます。ここにはスズメたちも来ますが、スズメは鳩とちがって共存共栄の生き方をしており、餌を見つけると、仲間に呼びかけて報せます。生き方はまったく違うとはいえ、スズメと鳩はそれぞれに、そのようにして命をつないできたのでしょう。
 ここには幾種類もの鳥が来て、面白い生態を見せてくれます。そこで「小鳥たち」なるカテゴリーをつくり、それを紹介することにしました。次回はスズメについて書くつもりです。
 



 
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