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喜多郎やモーツアルトをBGMに小説を書く [小説]

 小学生時代の私は成績劣等生だった。そんな私が大学を出て電子技術分野の技術者になり、年金生活をしている今では小説を書いている。ここに至る人生は、自分なりに努力した結果ではあるにしろ、それ以外の要因に負うところが大だった、との思いがある。理系人間の私が小説を書いたわけだが、その動機にしても、私の内側ではなく外側から来て、私に小説を書かせることになった。
 ある日いきなり、私は思い立って液晶画面に向かい、小説を書き始めることになったが、そこに至るいきさつは、最初に書いた長編小説〈防風林の松〉のあとがきに記してある。
 特攻隊員を主人公とする、長編の恋愛小説〈造花の香り〉は、この小説を書きたいとの思いに駆られて書いたものである。この小説にもあとがきを付し、書くに至ったいきさつなどを記した。
 村上春樹の〈ノルウェイの森〉にはあとがきがあり、「僕は原則的に小説にあとがきをつけることを好まないが、おそらくこの小説はそれを必要とするだろうと思う」と書き出されている。
 村上春樹にかぎらず、小説にあとがきをつける作家は少ないようだが、私は前記の作品を仕上げた後で、どうしてもあとがきをつけたくなった。素人である私がそれを書くに至った動機を、読んでくださる人に伝えたい、との思いが強かったからである。
 〈ノルウェイの森〉のあとがきによれば、村上春樹はビートルズを聴きながら作品を仕上げたとのことだが、私の場合はビートルズではなく、喜多郎やモーツアルトがBGMになる。ブログのタイトルが〈喜多郎をBGMに小説を書く〉となったゆえんである。(注)

 〈防風林の松〉と〈造花の香り〉はいずれも、読んでくださった人たちからは望外な評価を頂戴する結果になった。そのような声に励まされ、いくつかの出版社に原稿を送ったのだが、新人賞への応募を奨める書状とともに、いずれの社からも送り返されてきた。
 私はいわゆる後期高齢者である。そんな私に新人賞への応募はそぐわない。とはいえ、心血を注いで成したこの小説を、なるべく多くの人に読んでもらいたい。そのように思案して思い及んだのが、思い切って電子書籍にすることだった。
 慣れない作業に苦労はしたが、縦書きで読んでもらえるように、原稿をEPUB形式にしたうえで、forkn と DLmarket に出品することができた。
 forknあるいはDLmarketのサイトで、〈防風林の松〉と〈造花の香り〉を検索すれば、これらの小説が簡単に見つかる。
 比較的に短い序章を試し読みすれば、いずれの小説もその容貌がかいま見えるはずである。 EPUB形式に対応したアプリ(フリーソフトのAdobe Digital Editionsなど)が入っているパソコンやスマートホンであれば、いずれの小説も縦書き表示で読めるが、そのようなアプリが入っていなくても、横書き表示で読むことはできる。
 作者の私は高齢ながら、小説の主人公たちは20歳前後の青年である。これまでに読んでくださったのは、30代から70代の人たちだが、私としては、もっと若い人たちにも読んでもらいたいと願っている。若い読者に共感していただければ、創作の苦労はむしろ喜びとなる。そうなるようにと願いつつ、今日のブログを書き終える。
 
追記(2016年4月10日)
ふたつの小説はいずれも、現在はアマゾンの電子書籍であるキンドル本になっている。

 
注  ブログのタイトル

本ブログは「喜多郎をBGMに小説を書く」なるメインタイトルでスタートしたが、数ヶ月後に現在のタイトルに変更している。(2017年7月13日 追記)

 


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