SSブログ

良くできたマニュアルは充実したサポートセンターに勝る価値あり [雑感]

  パソコンのソフトや家電製品を使い始める際に、マニュアルがわかりにくくて苦労することがある。そのようなとき、私はマニュアルの文字を追うことを諦め、サポートセンターに電話をかける。相談員の指示により、分からなかった点が容易に解決されるのだが、そのたびに私はこんな想いを抱く。「このマニュアルが、電話で教えてくれたような内容と書き方になっていたなら、ユーザーが苦労することもなく、したがってサポートセンターの人員も減らせるだろうに。日本のメーカーはマニュアルの重要性を理解していないのだろうか」
  マニュアルに疑問を抱いた最初は、30年ほど前にパソコンを買ったときだった。ユーザーの多くはパソコンの動作原理に疎いと思われるのに、マニュアルはそのことを前提に書かれておらず、実に分かりにくいものだった。
  携帯電話やブルーレイディスクレコーダーなど、多くの機能をもつ製品には厚いマニュアルが付属しており、それを作成した担当者の苦心がしのばれるけれども、マニュアルというにはあまりにも使いにくい。索引が充実していればまだしも、それすら役に立たないことがある。苦労しながらも機器を使えるようになってから、あらためてマニュアルを開いてみれば、使い始めに混乱した理由がわかってくる。そして私は思う。「良くできたマニュアルつきの外国製品が入ってきて、しかもその製品が安くて品質も良ければ、日本のメーカーは窮地に追いこまれるのではないか」
  高度の技術を要す製品は、それに関わる技術者が心血を注いで開発したものである。その製品のマニュアルは、製品の価値に関わる最も重要な要素のひとつであろう。それゆえに、製品を世に出す前に、ユーザーを想定した社員に試用してもらい、マニュアルに不備があればそれを改訂すべきである。ユーザーに負担をかけることがないように、マニュアルを作成する担当者が苦労すること。当然ともいえるその努力によって、開発担当者の苦労が報われるというものである。
   これまでに幾度も、私はメーカーにこのような意見を伝えたことがある。回答をもらったことはほとんどないが、多少なりとも参考にしてもらえたらと願っている。まさかとは思うが、日本のメーカーは、雇用促進のための一環としてマニュアルを軽視し、サポートセンターの人員を増やしているのだろうか。  

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0