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肺ガンが見つかった経緯 [身体と健康]

     私は10年あまり以前に肺がんの手術を受けましたが、幸いにも再発することはなく、元気で日々を送っています。
   そのガンは見つかったと言うより、見つけて頂いたと言いたくなるような経緯で見つかりました。近くの総合病院を訪れて診察を受けた際に、担当の女医さんに向かって、私は何気なく口にしました。「どういうわけか、食事に際して食物が気管に入るようになり、むせることがあります」
   それに対する女医さんの意見は、「肺ガンになると迷走神経が刺激され、誤嚥がおこることがあります。念のためにCTスキャンで調べましょうか」というものでした。
  その病院で人間ドックを受けて間もない頃でしたが、その助言に従ってCTスキャンなるものを受けることにしました。その結果、数cmの長さに成長したガンらしいものが見つかり、続いての穿刺検査で肺腺ガンとわかりました。
   ステージ2Bの肺ガンだったのですが、数ヶ月前の人間ドックではなぜ見つけてもらえなかったのか。私が質問すると、目の前のモニターに、人間ドックに際してのX線写真とCTスキャンの写真が映されました。担当医師の言はこうでした。「CTスキャンの写真でガンの位置がわかっていればともかく、X線写真だけでこれを見つけることは難しい」
   私はふたつの画像を比較してみました。白く映っている鎖骨の部分に重なるようにして、ガンらしい影が極めてかすかにありましたが、CTの画像と比較しないかぎり、見付かりそうにありませんでした。
  左肺の上葉を切除する手術を受けた結果、今日まで無事に過ごすことができたので、完治したことになります。
   まだ若かった女医の仲島先生に、私は心より感謝しています。患者の何気ない一言を聞き漏らすことなく、医師としての役割を完璧に果たされました。名医と申し上げるべき方だと思います。
   総合病院で受診したのだから、それなりの理由があったはずですが、不思議なことに、その病院を訪れた目的が思い出せません。診察を受けたその日から間もなくガンが見つかり、手術を受けた後も抗がん剤での予後対策をするなど、気持ちに負担がかかり続けたために、きっかけになった体調不良に関わる記憶は抜け落ちたようです。
   再発防止のために術後はしばらく抗がん剤を飲みましたが、肝機能に障害を生じたために中止することになりました。再発しやすい肺ガンと聞かされたので、当然ながら不安はありましたが、どういうわけか、このまま完治するであろうという気持ちがあり、深刻な気分になることはありませんでした。
   私が今も無事に過ごしているのは、仲島先生と手術を担当してくださった先生の力と、私に恵まれた幸運のお陰です。それらの全てに対して、私は深く感謝しております。
   人間ドックにおける肺の検査は、多くの場合X線方式によるわけですが、私の場合がそうであったように、見落とされる可能性があります。最近は、胃の検診に胃カメラが使われるようになり、検査の精度が向上しています。胃がんの検診にかぎらず、人間ドックの検査精度の改善を願わずにはいられません。現在の一般的な人間ドックで異常なしと診断されたなら、この検査では異常が見付からなかったが、ガンが無いとは言い切れない、と受けとるべきでしょう。


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