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TPPを懼れなくてもよい農業にするには [身体と健康]

  12月19日の記事「野菜に含まれている栄養素が減少しているらしい」の続きです。

  畑や田から有害な重金属を除去する必要がある場合、植物が土の中からミネラルを吸収する性質が利用されています。カドミウムを除去したい場合には、カドミウムを多量に吸収する植物の栽培を繰り返すことになります。
  ホウレンソウには鉄分が多いとのこと。ホウレンソウに限らず野菜には鉄分がふくまれているわけだから、昔から野菜を栽培してきた畑の鉄分は減少しているはずです。同様にして全てのミネラル分も、年月とともに減少してゆく。
  栄養に富む作物を作るためには、畑にミネラルを補給しなければならない。山林由来の落ち葉や雑草はミネラルに富むはずだから、畑を再生するための好適な原料となるはず。同様に、海藻を利用すれば勝れた有機肥料ができるでしょう。
  私がまだ小学生だった頃、母に頼まれると近くの松林に行き、松葉をかき集めてきました。風呂をわかすための燃料にするためです。松葉や麦わらを燃やしてできる大量の灰は、畑のための貴重な肥料になります。私の少年時代は食料に乏しい時代でしたが、ミネラルが不足することはなかったと想われます。そのような田舎でありながら、私の実家の家庭菜園にいま施されているのは、おもに化学肥料であって堆肥はごくわずかです。農家が作る作物のほとんどは、化学肥料を使って栽培されていると思われます。
  帰省したおりに近くの山林に入ってみたところ、雑草と灌木が生い茂っており、歩くこともままならないほどでした。かつては燃料の供給源だった山林ですが、落ち葉は利用されることなく厚く積もっています。道ばたに雑草が生い茂っているだけでなく、耕作放棄の田畑も雑草で覆われております。人口が減少しつつある日本の田舎は、至るところに雑草が生い茂っています。その雑草を堆肥にすれば、膨大な有機肥料になるでしょう。

  安倍内閣は地方創生を主要な政策のひとつにしていますが、農業の将来性をTPPが脅かしているようです。安価な米が輸入されておりながら、主食としての国産米がまだ安泰なように、高品質な作物でありさえすれば、輸入野菜に対抗できるのではないか。高品質の中身は安全性と栄養価です。日本の野菜が栄養に富むなら、化学肥料でつくられる安価な輸入野菜よりも売れる可能性があります。そのために必要とされるのは、土壌に含まれる有機質やミネラルを増やすことでしょう。
   
  山林の落ち葉や雑草を、農家が容易に利用できる仕組みがありさえすれば、農家は堆肥の多くを自作できるはずです。自民党政府が眼を向けるべきは、農協や肥料会社ではなく、個々の農家ではないでしょうか。







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