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戦時下の日本で反戦の俳句を作った俳人たち [政治および社会]

4月19日の朝日新聞夕刊に、「抵抗の俳人ら記憶に…戦時下 反戦句で弾圧受ける」なる記事が掲載されている。その記事は次のような文章で始まっている。

戦時中に戦争や軍国主義を批判、風刺した俳句を詠み、弾圧された人々を記憶にとどめようと、現代の俳人たちが長野県内で記念碑の建立を計画している。思想が取り締まりの対象になった時代を忘れず、言論の自由の尊さを確認するのが目的だ。


その計画の中心になっているのは、長野市在住のフランス人ローラン・マブソン氏だという。朝日新聞の記事によると、戦時中には多数の俳人たちが、「反戦意識の浸透を図った」句を作ったかどで検挙されたという。その記事には私も知っている句が掲載されている。「戦争が廊下の奥に立っていた(渡辺白泉)」という句である。このような俳句を作った渡辺白泉は、新興俳句弾圧事件(昭和15年~昭和18年)に連座し、執筆活動停止を命じられたが、起訴猶予になったということである(Wikipediaによる)。治安維持法違反の容疑による検挙であった。


共産主義を抑圧する名目で制定された治安維持法は、政府にたてつく者を取り締まるために適用されるようになり、戦争に反対する者をも弾圧する手段に使われた。法律は権力を縛るものでもあるはずだが、権力は法律をねじ曲げ、ねじ曲げた法律によって国民を取り締まる可能性がある。日本人はそのことを思い知らされたがゆえに、「共謀罪法案」に対して神経質にならざるを得ないわけだが、そのことに思い及ばない国民も多くなっているようである。それどころか、「共謀罪法案」に反対する政党や国民に批判的な眼を向ける者すらいるような気がする。


現行の法律で対処可能であるにも拘わらず、新たに「共謀罪法(組織的犯罪処罰法)」を制定すべく動く者たちは、しゃにむに成立を目指している。それを推し進めているのが独善的な阿部政権ゆえに、過去の日本を識る者たちの不安は大なるものとなる。阿部一強政権に不安と不満を覚える国民は多いはずだが、漫然と安倍政治を支持している国民も多い。株をやらない私にはわからないことだが、もしかすると、株の下落を畏れて安倍政権の継続を願っているのだろうか。そうだとすれば、安倍政権下での株の暴落でもないかぎり、明るい未来は開けないことになりそうである。安倍政権に不満と不安を覚える者にとって望ましいのは、安定した経済状勢のもとでの安倍政権退場なのだが。


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