SSブログ

日本は非人道的な国だと宣伝する日本政府 [政治および社会]

8月20日の朝日新聞夕刊に、衝撃的な記事が載っている。「入管の長期収容いつまで」なる記事には、ふたつのサブタイトルがついている。「長崎・大村でハンスト」「抗議の末 死んだ仲間 無駄にしない」


記事は次のように書き出されている。


長崎県の大村入国管理センター(大村市)で6月下旬、ハンガーストライキを行った長期収容者のナイジェリア人男性が死亡した。死因などが明らかにされない中、収容者95人が真相究明と再発防止を求める連名の申し入れ書を提出。ハンストの動きは他の収容施設にも広がり、動揺と混乱が続いている。 


40代のナイジェリア人男性は、長期収容に抗議して、今春から仮放免を求めるハンストを続けていたが、6月24日に居室で死んだという。ハンストにより人が死んでいるにもかかわらず、死因は「特定されてはいるが伝えられない」とされ、氏名や年齢と収容期間も公表されていないという。


大村収容所に収容されている外国人たちは、テレビのニュースでその死を知ると、幾人かがハンストを始め、8月4日時点では11人に達したという。ハンストの動きは他の収容所にも広がり、東日本入国管理センターでは65人がハンスト中(収容されているイラン人の言葉によれば)との記事が載っている。


どのような事情があろうと、このような事態を引き起こし、そのニュースが世界に広まれば、日本の評価を甚だしく下げることになる。長期にわたる収容もさることながら、ハンガーストライキへの対応のまずさによって死者をだした事実は、日本の非人道的な側面を世界に知らしめたことになる。ロイター通信がこの件を取材しているとのこと。へたをすると、韓国人従軍慰安婦や徴用工問題についても、韓国側に同情する声が、世界各国から聞こえてくる事態になるかも知れない。


2016年以降は事実上の無期限収容が増加しているという。各地の弁護士会や国連などから批判されながらも、いっこうに改善されないまま、今に至っているようである。


過去の日本政府の過ちにより、多くの日本人が犠牲にされてきたのだが、政府は責任をとろうとしてこなかった。関係者の多くがこの世を去った今ごろになってようやく、政治の過ちを認めて謝罪するに至った例が、この数年だけで幾つもある。政府が卑怯卑劣であったなら、国民の倫理感の低下をもたらす張本人は政府ということになりかねない。先例固守主義の役人の世界の旧弊を、良識をもって糺してこそまともな政治なのだが、保守系の政治家はその努力を怠ったばかりか、むしろ助長してきたのではないか。


本ブログはこれまでに、外国人技能実習生に関わる記事「奴隷制国家になり下がった日本(2019.4.2)」と、入管法に関わる記事「改正入管法は「現代の奴隷制」か?(2018.12.15)」を投稿している。訪れる人の少ないこのブログだが、数十年にわたる自民党の悪政に対して、批判する記事を投稿し続けるつもりである。



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。