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朝日新聞の社説に思う……日本に遺すべき最重要遺構は何か [政治および社会]

3月20日の朝日新聞の社説「震災の遺構 二つの思いの葛藤抱え」は、次のような文章で書き始められている。


 悲惨な出来事を思い出したくない。だが忘れることはできないし、忘れて欲しくない。
 この9年間、東日本大震災の被災者は二つの思いの中で葛藤を重ねてきた。いわゆる震災遺構をめぐる議論はその象徴だ。


津波で被災して廃校になった校舎を、これまでに多くの人が訪れているという。津波の脅威を後世に伝える遺構であるが、被災者にはつらい記憶を呼び起こす存在でもある。その遺構を保存すべきか解体すべきかをめぐり、住民の意見が割れたが、解体を望む意見が半数を超えたため、解体することにした自治体があるという。その一方で、かなり先まで結論を先送りにすることにした自治体もあるとのこと。社説に記されている、「判断を急がず、次の世代に委ねるのは一つの知恵かもしれない。広島の原爆ドームも保存が決まったのは、被爆から20年以上が過ぎてからだ」が、おそらく正解であろう。


社説はつぎの文章で終わっている。


地震に限らない。噴火や風水害でも、何を、どうやって次代に引き継ぐかは、今を生きる世代の責務だ。東日本大震災の被災地の悩みや試行錯誤もまた、将来への大切な教訓となる。


この社説を読んで思った、「この国にとって最も重要な遺すべき遺稿は、この国に史上最大の災厄をもたらしたあの戦争に関わるものであるはずだ」と。それにもかかわらず、戦後も70数年になりながら、原爆ドームしか存在していない。本ブログで幾度も主張してきたように、本来ならば、膨大な犠牲者のための慰霊碑を建立すべきである。その慰霊碑は、あの戦争を忘れないための記念碑でもあり、反戦平和を祈る祈念碑でもある。投稿してきたそれらの記事の幾つかを、ここに列挙しておく。





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