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卵の価格が1個450円だった頃 [雑感]

 アマゾンプライムで映画「青い山脈」を観た。その映画の主題歌がさかんに歌われたのは、私の中学生時代であり、その映画の存在も知ってはいたが、観たことはなかった。アマゾンプライムの中を眺めて見たら、そのモノクロ映画があったので、興味を惹かれるままに観た次第。
 映画の始まりに近いところに、主役の少女が卵を売ろうとする場面がある。一個15円である。
 映画が作られた昭和24年の賃金水準はひと月7000円程度だったようである。現在の日本は格差が拡大しており、20万円以下の人も多いらしいが、21万円の人の場合、昭和24年の平均賃金の30倍である。単純に比例計算すれば、昭和24年の15円は現在の450円になる。あまりにも単純に過ぎる比較かもしれないのだが、70年前の卵が高価な食材だったことは確かである。
 田舎で育った私の少年時代には、多くの家でニワトリを飼っていた。私の家でも飼っていたのだが、餌をやらなかったので、ニワトリは庭をほじってミミズなどを探していた。風呂の排水を庭に作った溝に流していたので、たくさんのミミズがいた。垣根にしていたクチナシに虫がつくと、父はそれをニワトリに与えていた。オオスカシバの幼虫はかなり大きいのだが、ニワトリはいとも簡単に飲み込む。父がクチナシの近くにいると、ニワトリは側で待機していた。
 映画「青い山脈」は田舎の物語だが、その当時の都会では、どんな食生活をしていたのだろうか。妻が生まれ育ったのは、東京とはいえ世田谷区の西部だったので、昭和40年頃までは周囲に畑があり、子供の頃にはニワトリを飼っていたという。高価な卵を買わずにすんだのは幸いだったというべきだろう。
 今では物価の優等生と呼ばれる卵だが、スーパーの安売りで、10個100円以下で売られることがある。昭和24年に10個3円で売られたならば、あるいは、今の世の中で1個450円で売られたならば、どのように受け止められるのだろうか。
 「青い山脈」を観てそんなことを思い、こんな記事を書いてみたのだが、読み返してみると、ブログに書くほどのことではなかったような気がする。「昭和24年当時の卵の価格が1個15円であり、極めて高価な食材だった」と書くことが、まったく無意味だとも思わないけれども。


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