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全国戦没者追悼式における首相の式辞 [雑感]

全国戦没者追悼式が、例年通りに東京の武道館で挙行され、NHKによって中継された。コロナ禍のために参列者が少ないことを除けば、以前と変わりない式典だったが、菅首相が読んだ式辞には、安倍首相時代とは異なる表現があった。
                                           
安倍首相の言葉には、「今、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊い犠牲の上に築かれたものであることを、私たちは決して忘れることはありません。」なる文言があった。過去数年の式辞を調べてみると、いずれの年の追悼式においても、ほぼ同等の言葉が述べられている。
                                           
戦争に敗れた結果として、今の日本は戦前の社会(言論や思想の自由がなく、警察の拷問によって多くの人が殺されるような国。過大な軍事費のために国民が犠牲にされる国。極端な格差社会。基本的人権に対する意識の希薄な社会。男尊女卑社会。・・・・・・)とはまるで異なっている。多くの犠牲者をだしたあげくの敗戦であり、敗戦した結果が今の日本ではあるが、「戦争犠牲者の犠牲は尊いものである」と言ってよいのだろうか。
                                          
菅首相の式辞は、「今日、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い命と、苦難の歴史の上に築かれたものであることを、私たちは片時たりとも忘れません」となっている。日本学術会議の件にかぎらず、菅首相に対して不信感を抱いているが、全国戦没者追悼式での式辞については、安倍式辞よりもましな表現だと思う。さらに好ましいのは安倍政権以前の式辞だ、と思えるのだが。


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