SSブログ

科学技術立国日本の行く末を論じる記事 [雑感]

11月11日の朝日新聞に、「真鍋さんからの苦言  すれ違う政治と科学」なる記事が掲載されている。筆者は京都大学の前総長山極寿一氏である。
                                                                                                                      
今年のノーベル物理学賞を受賞する真鍋淑郞さんに関わるその記事によれば、受賞する真鍋さんが語ったことが、山極さんの耳に痛く響いたという。その一つは、日本の科学界は政府とコミュニケーションをとれていないという批判であり、二つ目の真鍋さんの苦言は、日本で好奇心に基づく研究ができているかという問いであるという。記事の後半をここに引用させていただく。
                                           
   ・・・・・・今、日本の国立大学は運営費交付金を削減され、「選択と集中」によって補助金獲得競争を強いられて疲弊している。組織のために骨身を削って計画書や報告書の作成に追われ、教員は十分な研究時間が取れない。「私は一度も計画書など書いたことがない」との真鍋さんの発言に、耳を疑った日本の研究者がたくさんいたことだろう。研究者1人当たりの支援者の数でも日本はドイツの3分の1、中国の5分の1である。今年、トップ10%の日本の研究論文の数が世界で10位に落ちたのも当然の結果と言える。
    答えの見つかりやすい近視眼的なテーマばかりにしがみついていては、常識的な論文は書けても、ノーベル賞に結びつくような研究もイノベーションも生まれない。先進国の中で、日本だけが博士課程進学率が落ちているのも気になるところだ。若い世代の研究者を雑務から解放して、好奇心を全うできるような環境を作らなければ、科学技術立国日本は資源のない、世界から注目されない国に成り下がってしまうだろう。
  
自民党・公明党政権は、膨大なバラマキと無駄な経費に予算を費やしながら、将来の日本のための支出をけちっている。資源に恵まれない日本は科学技術立国を目指すべきだが、研究者は貴重な時間を雑務に追われているという。学校の教職員も雑務に追われて疲弊し、本来の使命である教育活動に支障をきたしている。看護職員の過重労働も問題視されている。高齢化問題に格差問題。明るい見通しのない社会情勢。そんな状況にありながら、選挙では棄権が多く、自民党政治が続いてゆく。
                                           
今日のタイトルは「科学技術立国日本の行く末を論じる記事」だが、政治に対する不満を書いて終えることになった。親の年収が960万円未満の子供に対し、10万円を支給することにしたというが、そんなことに国家予算を使うより、実質賃金の引き上げに注力すべきである。賃金はすでに韓国に追い越されているのだ。国民の幸福度ランキングは、久しく先進国中で最低のままである。賃金を3万円引き上げたなら、年収は36万円増える。一時的な10万円よりはるかに、経済の活性化に寄与するはずである。
 

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。