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活躍する女性技術者 [雑感]

理工学の分野を目指す女性が少ないのは、心理的あるいは周囲からの影響により、理系学科への興味を抱かない人が多いからではないか。これまで私が出会った女のほとんどが、理系学科を苦手にしていたのは、理系学科に強い興味を抱かなかったからであろう。中学と高校で同級生だったひとりは、数学の女教師として高校で教えていたのだが、かなり珍しい例と言えよう。私の高校時代にも、数学担当の女教師がいたのだが。
                                                   
「女は理系に弱い」とする見方に疑問を抱いている私は、特攻隊に関わる小説「造花の香り」(本ブログの左サイドバーにて概要を紹介している)の中に、次のような場面を書いた。
                                                   
「俺の知ってる理科系のやつら、みんな頭が良さそうだがな」
「数学というのはな、勉強の途中で手を抜いたらそこから先に進めなくなるんだ。数学が不得手という奴の多くは、手を抜いたところの穴埋めをしなかったんじゃないかな。理系の者には数学が必要だから、たとえあと戻りをしてでも、知識の穴を埋めようとするわけだよ」
「現実に数学が不得手な俺には、何とも言いようがないよ。お前流に勉強すればいいんだろうが、俺には数学で努力する気がないからな」
「俺から見れば良太は頭のいいやつだが、数学が必要な仕事はしないつもりだから、数学にはあまり身をいれていないんだ。数学の成績が良いとは思えないけど、頭が悪いなどとは思っていないはずだよ、良太自身は」
「森山に会ったら、あいつの意見も聞くことにする。工学部のお前から聞いただけじゃ心もとないからな」
「数学が好きだなんて言う友達は一人もいないから、私は数学なんかできなくても平気だし、頭が悪いとも思わないわよ」と千恵が言った。
「私も数学はできないけど、いまの話を聞いて安心したわ。数学が好きだという友達もいないけど、女学校だったからでしょうね。むつかしい数学など必要とは思えないもの」
「何かのきっかけがあれば、女でも数学を好きになると思うけど、そういうのは少ないだろう。だから、いいんだよ、千鶴さんは数学なんかできなくても。良太も数学には興味がないみたいだが、あいつには、いろんな才能があるし、人間としても立派だ。・・・・・・」
                                                   
                                                   
中学生の年代までに理系事象に強く惹かれ、大学の理系学部に進学し、女性技術者として活躍するに至る人がいる。12月25日の朝日新聞「ひと」欄で紹介されているのは、「物質・材料研究機構(茨城県つくば市)」で、国産エンジンの材料を開発する国の研究プロジェクトチームを率いる川岸京子さんである。川岸さんは1120℃まで耐えられるニッケル超合金を開発し、ボーイング787のエンジンを開発するうえで欠かせない貢献をしたとのこと。
                                                   
                                                   
川岸さんは機械いじりが好きで、中学から進んだフェリス女学院のアマチュア無線部で、電子工作に打ち込んだという。朝日新聞「ひと」欄の記事は、川岸さんの言葉で結ばれている。「エネルギー問題に貢献したい。中学生の女子に、研究は楽しいよと伝えたい」
                                                   
ドイツではメルケル首相が長らく政権を担ったが、このひとは物理学者だという。北欧には女性の国会議員が多い国がある。日本にも女性議員はいるけれども数は少ない。女帝を受け入れようとしない国民もいるのが現実である。多くの女性が活躍する時代が訪れたとき、科学や技術の分野を目指す女性も増えていることだろう。


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