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リニア中央新幹線で「コンコルドの過ち」を繰り返すのか? [政治および社会]

2017年2月24日の投稿記事は、<「コンコルドの誤り」を繰り返す日本>である。その記事の最初の部分はこのようになっている。
                                         
  
   帰省中に読んだ地方紙「山陰中央新報」に、「コンコルドの誤り」なる記事が載っていた。筆者は日本銀行金融機構局審議役の木村 武氏である。いま書いているこの記事は、切り抜いたその記事を参考にしながら書いている。
  その記事によれば、見通しが立たないにもかかわらず、見切りせずに事業を継続することを、経済学では「コンコルドの誤り」と呼ぶとのこと。その由来として、「英仏がかつて共同開発した超音速旅客機コンコルドは、製造しても事業が黒字になることは見通し難かったが、それまでにかけた膨大な投資コストが無駄になるという判断から事業を継続。案の定、赤字が累積し、最終的に、炎上墜落事故をきっかけに運航停止となった。」と記されている。・・・・・・・・
                                         
日本では、いったん着手した公共事業の場合、中止した方が好ましいと判明しても、そのまま継続される。中止されたことにより損害を低減できた例として、中海干拓事業の中止があるが、これはまれな例であろう。
                                          リニア中央新幹線の安全性に対して、私は強い疑念を抱いており、本ブログで幾度も取り上げてきた(それらを末尾に列挙)。2021年3月13日に投稿した記事「リニア中央新幹線に警鐘を鳴らす記事」は、朝日新聞に掲載された記事を紹介したものである。そこには、リニア中央新幹線の安全性に疑問があるとする、次のような石橋克彦神戸大学名誉教授の言葉が紹介されている。
  
 「計画にゴーサインを出した国の小委員会の報告書を読み、ひどさに気付きました。委員に地震の専門家はおらず、地震のことを全然考えていません。何本もの活断層をトンネルで横切り、ずれ動けば救いようがなくなる。そういう検討をまったくしていません」
 「リニア計画は原子力とよく似ています。両方とも国策民営で、きちんと批判する専門家が少ない。社会はバラ色の話だけを信じ込まされて、沿線住民だけが苦労している。『夢のエネルギー』として推進され、福島事故を起こした原発のように、破局的な結末もありうると心配しています」
                                                   
石橋克彦神戸大学名誉教授によれば、活断層のずれによる事故の可能性を想定していないという。たとえいかなる地震対策を施そうとも、断層がずれた場合には車両の走行は不可能となろう。運良く脱線事故が避けられたにしても、長大なトンネルからの避難は極度に困難だろう。いつの日か、地震によるそのような事態が生じたとき、それを「想定外」と呼ぶことはできない。<「コンコルドの誤り」を繰り返す日本>は、リニア中央新幹線で経済的に「コンコルドの誤り」を犯すのみならず、コンコルドの場合同様に、事故をきっかけに運用中止になる可能性がある。
                                                   
政治がまともに機能するならば、中海干拓事業が中止されたように、リニア中央新幹線も着工を中止できるのでは、と思うのだが、自民党政権が続くこの国では、「コンコルドの誤り」を繰り返すことになりそうである。経済的な損失も重大な問題だが、事故が発生したなら、取り返しができない悲劇となる。石橋克彦神戸大学名誉教授のような人たちが、建設反対の運動を展開されるよう願っている。
                                         
リニア中央新幹線の安全性について投稿した本ブログの記事


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