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週刊誌がたれ流す害毒 [政治および社会]

武本昌三氏のホームページ「ともしび」に、「テレビやスマホに心を蝕まれる子供たち」なる記事が投稿されている(2018.05.09)。携帯電話やスマホがもたらした負の側面を論じたあとで、テレビに関わる問題に触れている。その部分をここに引用させてもらうことにした。

武本昌三氏のホームページ「ともしび」より、「テレビやスマホに心を蝕まれる子供たち(2018.05.09)」の一部を引用


・・・・・・・・  一方、テレビを覗いてみると、特に一部の民放などでは、刺激的な、見るに耐えないようなドタバタ劇が繰り返されているのがしばしばである。もう半世紀も前に、社会評論家の大宅壮一氏が、「テレビというメディアは非常に低俗で、テレビばかり見ていると、人間の想像力や思考力を低下させ一億総白痴になる」と述べて、「一億総白痴」という言葉が流行語になったことがあった。いまでは、その深刻度は当時の比ではない。かつての家族が顔を合わせて親しく語り合う「一家団欒」もテレビの雑音にかき消されて、ほとんど死語になってしまった。特に子供は、脳がまだ十分に発達しておらず、快感や刺激を求める欲求が理性に勝る傾向が強いといわれている。言語知能などをつかさどる脳の前頭葉に悪影響を与えるとする研究結果などもすでに出ているらしい。その上に、スマートフォンなどの依存症などが加わると、純真無垢であるはずの子供の精神面は、いったい、どういうことになってしまうのか。子供たちの将来に対して危惧の念を抑えきれないでいるのは、おそらく、私だけではないであろう。(引用おわり)


大宅壮一が「一億総白痴化」をもって警告したとき、念頭にあったのは民放テレビの番組ではなかったろうか。高い視聴率を求める民放テレビには、大宅壮一ならずとも、警鐘を鳴らしたくなりそうな番組が多々ある。


大宅壮一はテレビのマイナス面を危惧したわけだが、週刊誌などがもたらす害毒については言及しなかったのだろうか。有名人の個人的な事柄をあばきだし、興味本位の記事を垂れ流すマスコミは、低俗な番組を流すテレビにまして有害な存在ではなかろうか。私は以前からそのことが気になり、このブログに幾度か記事を投稿している(注)。


きょう報道されたニュースによれば、宮内庁は22日に、皇太子ご夫妻の銀婚式に関して週刊誌2誌に抗議したという。抗議の対象になった記事にかぎらず、週刊誌はしばしば、皇室に関して眉を顰めたくなるような記事を掲載している(新聞に掲載された週刊誌の広告から判断すれば)。売り上げ至上主義の一部週刊誌は、政治家や芸能人のみならず、皇室をも「のぞき見興味」の対象にしている。


週刊誌にも存在意義があるわけだし、言論の自由によってその立場も安泰なわけだが、興味本位にプライバシーを犯すような記事を掲載し続けるならば、保守勢力に口実を与えるかもしれない、「野放しの言論の自由は規制されるべきである」と。そんなことになる前に、世論によって糾弾できればよいのだが、「プライバシーをあばくような記事を掲載してはならない」と。


(注)

マスコミによる著名人の不倫報道(2017年9月8日)


小室哲哉の存在価値と週刊誌の存在価値(2018年1月21日) 


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