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ネットを利用して学校の宿題をこなす現代っ子 [教育]

ネットで検索することにより、様々な事柄についての情報が得られる時代。事典を開いて調べるよりも迅速に、関連する事柄をも含めた情報が得られるのだから、SNSに親しむ若い世代にかぎらず、高齢者にもパソコンで調べものをする人は多いにちがいない。かく言う私もそのひとりである。


「安全教育としての理科教育」(9月7日の投稿記事)を書いたときのことである。参考のために「文部科学省の学習指導要領」を検索してみたのだが、そのついでに興味深いものが見つかった。ある中学生がYAHOO知恵袋で、「中学校の技術の課題が全くわからないので、至急教えてください」として、教師から提示された課題を列挙している。挙げられている4項目の課題は、いずれもエネルギー変換に関わるものである(中学生の相談内容を付記に記す)。


それらの課題は教師から提示された宿題と思われるが、その中学生は書物などで調べるのではなく、ネットの世界の誰かに教えてもらい、回答を仕上げることにしたようである。そのような質問に対して、「人に頼らず自分で調べろ」と叱るひとが現れるかと思いきや、現れた回答者は懇切丁寧に、質問事項の全てに回答している。


丁寧かつ適切なその回答を見て思った。ネットを介して情報を得たにしろ、積極的に働きかけたことによって回答を得たことになるわけだが、その中学生にとって好ましいやり方であったと言えるだろうか。その中学生が教科書をあらためてひもとき、参考書に眼を通したなら、さらに多くを得られたかも知れない。


ネットを利用することにより、必要な知識を得ることができる。そのようなやり方で宿題を片付ければ、節約できた時間を他の目的に使うことができる。パソコンやスマートホンが普及し、ネットを活用できる時代には、そのような手段の利用も時代に即したやり方かも知れないのだが、学ぶ生徒や学生たちにとっては、安易な手段は諸刃の剣となろう。積極的な知識欲に押されて学ぶのではなく、安易な方法を選んだのであれば、努力して結果を得たという達成感に乏しいだろう。それだけでなく、得られた知識は身につかず、節約したはずの時間も、節約に値しないものとなる可能性がある。




付記     中学生が質問したことがら

1 私たちの身の回りのエネルギー変換を利用している機器を探しそしてどのようなエネルギー変換しているか調べなさい。

2 自分の生活の中でエネルギー変換に関する技術をどのように発展させることができるか、家庭分野や他教科で学んだことを関連させてまとめなさい。

3 エネルギー変換の効率をよくすることの必要性と利点についてまとめなさい。

4 身の回りの製品は力や運動をどのように伝えているか調べなさい。
です。

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