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税金が真の布施となる国 [政治および社会]

国民が納める税金は、この国や被援助国で有効につかわれ、人々の幸せな人生に役立つように使われるべきである。そのような使われ方であるならば、納税者たちは立派な布施をしたことになろうが、現実はどうだろう。無駄に費やされる税金はあまりにも多いのが実情である。


アメリカの要求を受け入れてなされる膨大な軍備費の無駄。導入されるF35Bは量産機でありながら、その価格は1機あたり120億円以上だという。安倍首相はそれを100機以上も購入する約束をしたらしい。購入される予定のミサイル防衛システムイージスアショアは、総額5000億円の高額装備だという。


沖縄辺野古の埋め立てによる基地構築費は、当初の見込みをはるかに超えて、1兆円に近い費用になるという。日本政府が努力すべきは、辺野古の海を埋めることではなく、普天間基地のグアムへの移転を促し、沖縄の基地を減らすことだろう。


ここまで書いたら、2017年5月7日に投稿した記事「朝日新聞の記事に想う・・・基地すべて押しつけおかばおのが身は安泰なるか日本(やまと)の国は(中村文子)」が思い出された。朝日新聞の記事に触発されて書いたその記事は、次のような文章で終わっている。


・・・・・・・・辺野古をめぐっては、本土なら起こりえないことが相次いで起きているとして、沖縄県知事翁長氏の「国防のためだったら十和田湖や松島湾、琵琶湖を埋め立てるのか」なる言葉が紹介され、その言葉には、中村さんが唇をかんだ「くやしさ」と地続きの怒りが透けているとしている。安倍政権の強権ぶりが際だっているにしろ、その高圧姿勢を支えているのは、結局のところは自民党に多数の議席を与え、安倍内閣を支持している国民である。沖縄に犠牲を強いるつもりはなくても、「沖縄をあっちの方」と見る意識を持つ「本土の人」に、復興相の罪を責めて石を投げる資格があるのだろうか、と筆者は問いかけている。 
 中村文子さんは熱心な歌詠みでもあったという。詠まれた歌の中から次の一首が紹介されている。「基地すべて押しつけおかばおのが身は安泰なるか日本(やまと)の国は(中村文子)」


民主党政権によって一時中断されていた八ッ場ダムが、この春に完成するという。5000億円をかけたこのダムに、その費用に見合うだけの価値があるのだろうか。「その恩恵を蒙ったのは、業者とそれに関わる自民党議員や一部の官僚だけだった」ということにならなければよいのだが。


この国で大型の公共事業が始められると、それが無駄だとわかっても止められない。唯一の例外は、中海干拓事業が中止されたことだろう。中断したとはいえ、無駄に捨てた金額は1000億円に及んだようである。中海は工事の後遺症として水質が悪化し、特産品の赤貝が育たなくなった。埋められた部分が水の循環に影響を及ぼし、水質や湖底の状況が変化したためだという。無駄な出費をしただけでなく、後世にまで損失をもたらす工事だったことになる。


利権がらみの自民党政治は、これまでに膨大な税金を無駄にしてきた。日本は先進国と自負しているのだが、国民の多くは国による無駄遣いに目を向けていないらしく、自民党による身勝手な政治を続けさせている。税金が真に有効に遣われ、国民が喜んで納税するような日がくるのだろうか。

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