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無駄な医療費の節減 [身体と健康]

先月の中頃にカゼをひいた。カゼなら数日で熱が下がるはずだが、めずらしく一週間近くも続いただけでなく、セキが出始めた。というわけで、近所の内科で診てもらったら、カゼだから薬を2種類処方するという。そのひとつは、気管を拡張して痰を出やすくする薬とのこと。


いつものように、私は「カゼなら薬はいりません」と応して薬を断り、そのまま様子を見ることにした。医師は一言「わかりました、薬はやめましょう」と言った。それから数日セキは続いたが、どうにか無事に恢復できた。


4月24日のプレジデント・オンラインに、「日本の医者が"効かない薬"を処方する理由」なる記事がある。筆者は医療経済ジャーナリストの室井一辰氏である。その中に次のような文章がある。


   日本では半世紀以上「国民皆保険」を保ってきました。一般に医療に自由にアクセスできる点は良いのですが、過剰な受診につながりやすく弱みともなってきました。患者の負担が低く抑えられたために、受診のハードルが異常に低く、過剰な医療が生まれやすい土壌につながったのです。
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    日本では、昭和の時代、社会的入院と呼ばれる必要性が乏しい入院を続ける患者を大発生させたことがありました。1973年から9年間、70歳以上の高齢者の医療費を無料化したことが発端となりました。高齢者の医療や福祉を充実させて、健康な人を増やすだけであればよかったのですが、副作用は大きすぎました。過剰な医療行為が野放しになり、なかでも退院させるべき高齢者を長期にわたって入院させるケースが横行してしまったのです。
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現実としては、入院を増やすと、医療機関の経営にとってはキャッシュフローが安定します。現金収入が増えれば、当面はつぶれづらくなります。これが平成から令和の時代まで引きずる過剰な入院患者を抱える日本の問題につながりました。・・・・・・・・


上記の記事には、医師が処方する薬には無駄なものが多いことも記されている。薬を必要としないような場合であっても、患者から「あの医者は薬もくれなかった」と不満を抱かれることを懼れて処方する傾向があるらしい。医師側にしてみれば、薬を処方すれば収入が増えることになるが、健保に過分な負担をかけることになる。


高齢化社会にあって、国民健康保険の赤字が問題になっている。処方や処置の必要性を医師に問いかけるなら、無駄な医療費を減らせる可能性がある。私は幾度も薬を断ってきたのだが、薬の必要性を強調し、服用を勧める医師は少なかった。素人である私が不必要ではと思えるような場合だったから、当然の結果だったと言えるのだが、黙って薬を受け取っていたなら、健康保険に無駄な出費をさせていたことになる。全国で処方されている無駄な薬の金額は、膨大と言えるほどの額であろう。


医師に薬を処方されたら、「この薬を使わなければ、どんな結果になるのでしょうか」と聞いてもらいたいものである。必ずしも必要ではなさそうだとわかれば、その薬は断った方がよい。副作用の不安がなくなるだけでなく、健保への負担を軽くすることになる。

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