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安倍政権が犯す罪 [政治および社会]

朝日新聞の朝刊に、「長期政権の磁界」なる連載記事が始まった。「忖度の空気 官から社会へ」と題された第一回の記事(5月20日)には、「『菅さんの肝いり』動く官僚」「苦言のち左遷 官邸人事の衝撃」「『中立でない』集会や俳句拒否」「『非常事態すり込み』戻る支持」といった見出しの記事が載っている。連載記事開始の主旨は次にように記されている。「安倍晋三首相が政権に復帰して6年半。権力が放つ強い磁力に吸い付けられるように、首相官邸の意向が霞ヶ関で忖度される構図が強まっている。それが社会に影響を及ぼし、さらに政権基盤を強める「磁界」を形成していく。長期政権がもたらす政治、社会の変容について、夏の参院選を前に考える


官邸側が中央省庁の人事に介入し、官邸の意向に従わない者を左遷するなど冷遇してきたことは、これまでしばしば報道されてきたことである。朝日新聞の上記記事には、菅官房長官による人事介入の例が記されている。


記事中に、<長期政権が続く中でのこうした経緯が、「官邸に言われなくても、意向を推察して霞ヶ関が動く時代になった」(財務相幹部)という状況をつくりだした。・・・・・・・・官邸が霞ヶ関の人事権をちゅうちょなく振るい、長期政権となった今、官僚が率先して官邸の意をくもうとしている。>という文章がある。


「『中立でない』集会や俳句拒否」なる見出しの記事は、このような文章で始まっている。<長期政権という磁力に吸い寄せられ、官僚たちが忖度する空気。社会にも、別の形で徐々に広がっているような事象がある。>


その例として、前川元文科次官が関わる講演会が、「政権批判を繰り返してきた前川氏が前面に出ており、中立ではない」として開催できなくなったことや、金沢市が「特定の政策や意見に賛成する目的の示威行為」として、市庁舎前の広場での護憲集会を許可しなかったことが記されている。秋田県の大学では、卒業式で卒業生代表が述べる謝辞原稿を大学側が事前にチェックし、秋田県に配備される予定のイージスアショアに触れた文章をカットさせたという。


政権交代が繰り返されるどころか、安倍4選なる言葉が聞こえてくる。そうなれば、安倍晋三とそれを取り巻く独善的で狭量な政治家により、この国がますます劣化するだろう。朝日新聞はどこの図書館でも読むことができる。「長期政権の磁界」なる連載記事を、多くの人に読んでもらいたいと願っている。


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