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偶然の出会いに関わるある思い出 [人生]

先ごろから繰り返し投稿した記事に、思わぬところで偶然に知人と出会うことの不思議さを書いたものがある。「村上春樹の新作を読んで(7月20日)」「旅先で知人と遭遇することの不思議さ・・・・・・その高い頻度を科学では説明できない(7月27日」「共時性あるいは同時性と呼ばれる現象について(8月18日)」である。


それらの記事で、私には不思議な出会いを過去に3度も経験したと書いたのだが、実はもうひとつ、忘れられない思い出がある。


召集されて中国に渡った父は、終戦を奥地の長沙で迎えたという。復員できたのは、終戦の翌年である昭和21年の初夏だが、私たち家族はそれまで、父がどこでどうしているのかわからなかった。

その日、私と母は出雲今市駅(今の出雲市駅)へ向かうべく、山陰本線のプラットホームで列車を待っていた。私の生家からは歩いて30分ほどの所にある駅で、利用者が少ない今では無人駅になっている。


煙を吐きながら近づいてきた列車が止まると、私たちのすぐ目の前にドアがあった。すぐにドアを開けて男が現れると、母が驚きの声をあげた。降りてきたのは、2年ぶりに還ってきた父だった。むろん父も驚いたはずだが、私はただ呆然としていた。私と母がもっと離れた場所で列車を待っていたなら、あるいは、父が別のドアから降りたのであれば、私と母は別のドアから列車に乗ったに違いなく、その場で出会うことはなかったはずである。


その日のそのできごとは、母にとっても極めて印象的な思い出になった。晩年の母と昔の思い出を語り合うと、母は幾度もその日のことを語ったものである。
                                                                    
小学校3年生時に体験したそのできごとを含めるならば、不思議な出会いを私は4度も経験してきたことになる。これまでに投稿した「村上春樹の新作を読んで(7月20日)」「旅先で知人と遭遇することの不思議さ・・・・・・その高い頻度を科学では説明できない(7月27日」「共時性あるいは同時性と呼ばれる現象について(8月18日)」に書いたように、旅先などで知人と不思議な邂逅をした人は、意外なほどに多いようである。それどころか、そのようなことを繰り返し体験する人も、さほどに珍しくはなさそうである。私もそのひとりと言うことになる。


ユングが提唱した共時性なる概念には信憑性があるとしか思えないのだが、現在の科学はそれを説明できそうにない。アインシュタインの相対性理論は、科学の常識とは相容れないものとして、それが発表されてしばらくは、それを否定できる理論を求めた物理学者も多かったようだが、様々な実験や宇宙に関わる観測結果によって、正しい理論として受け入れられるに至った(科学発展の歴史を思えば、新たな理論によって相対性理論に修正が加えられないとは限らないのだが)。


共時性に関わる事例と同様に科学で説明できないとはいえ、多くの例証があるだけでなく、簡単に実証可能なところから、霊魂が実在することは明確と言えるのだが、多くの人は霊魂の話題に不快感を露わにし、拒絶反応すら示す。


30代の中頃までの私は唯物論者のひとりで、心とは脳内の化学反応によって生じるものだと思っていた。そんな私ではあったが、霊に関わる話題に興味を抱くことはあっても、不快な感情は抱かなかった。もしかすると、そのような私だから、不思議な体験を繰り返し(体験させられた?)、霊魂の実在を識る道に導かれたのかも知れない。かたくなに唯物思想にとらわれていたなら、未だに霊魂の実在を識ることはなかったであろう。私に不思議な体験を与え、霊魂の実在を知らしめてくれた誰かに、深く感謝している。

                                         

付記(2022.5.3)

偶然の出会いに関わる記事を記すうちに、同様の思い出が次々に思い出された。

これまでに投稿した記事(2022.5.3時点)








                                          

付記 2(2022年5月5日)

本ブログに「父の歌集」なるカテゴリーを設け、2021年8月から2022年5月まで、「父の歌集より」なる記事を連載している。その最終回である「父の歌集より 26(2022.5.3)」は、中国から復員した日に関わる父の手記だが、その中に、駅のプラットホームでの邂逅が記されている。





                                         

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