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言葉を交わす鳥たち [小鳥たち]

8月31日の朝日新聞「リレーオピニオン欄」に、「小鳥の鳴き声にも『文法』」なる記事が掲載された。京都大学の鈴木俊貴特定助教(動物行動学を専門とし、鳥類のコミュニケーションを通じ、言語の進化原理を探求しているという)からの聞き書き記事である。切り抜いておいたその記事の一部を、ここに引用させてもらうことにした。
                                                   
 小鳥のシジュウカラは鳴き声を複雑に使い分けます。天敵を見つけて周囲に警戒を呼びかけるとき、ヘビなら「ジャージャー」、タカでは「ヒーヒー」。私はこうした鳴き声一つ一つに意味があるのではないかと考え、「シジュウカラ語」を研究しています。
 シジュウカラに、録音しておいた「ジャージャー」を聞かせてみると、地面を見たり茂みをのぞいたり、まるでヘビが潜む場所を探すかのようにふるまいます。では、「ジャージャー」を聞いたとき、彼らはヘビの姿を思い描いているのでしょうか。・・・・・・シジュウカラも「ジャージャー」を聞くと、ただの小枝をヘビと見間違えてしまうことがわかりました。鳴き声が視覚的なイメージにつながっている証拠です。
 観察の過程で、鳴き声に「文法」があることもわかってきました。天敵であるモズの剥製を木の枝に置くと、逃げるのでなく、仲間を集めて追い払おうとすることがあります。その号令は「ピーツピ・ヂヂヂ」。「ピーツピ」(警戒しろ)と「ヂヂヂ」(集まれ)は単独でも使われますが、これらを組み合わせて鳴くのです。その結果、仲間のシジュウカラはモズを追い払うべく警戒態勢で集まってくる。一方、「ヂヂヂ・ピーツピ」と逆にすると、正しく意味が伝わらない。語順も重要なことがわかりました。
 シジュウカラの言葉がわかるのは、私だけではありません。周りで暮らすスズメやメジロ、ヤマガラなどの鳥たちも、シジュウカラ語を学習し、理解しているのです。外国人と共に生活していると、彼らの言葉がわかるようになるのと似ているかも知れません。・・・・・・
                                                   
本ブログのカテゴリー「小鳥たち」には、庭を訪れる鳥(スズメ、ハト、ヒヨドリ、メジロ)について書いた記事がある。鳥たちが交わしている言葉(2017.6.8)」は、庭を訪れるスズメやハトが交わす言葉について書いたものである。「インコの気持ち(2015.6.20)」は、小さなインコにも寂しさを感じる感情があるらしいことを書いた。「鳩の不思議な振る舞い・・・・・・鳩にも高度な判断力?(2015.6.22)」では、ハトが示す不思議な判断力について書いた。本ブログのカテゴリー「小鳥たち」には、上記の他にも「雀や鳩も考える動物(2018.2.9)」や「雀の雛にも智慧がある(2015.6.16)」など多くの投稿記事がある。
                                         
小鳥たちにも言葉があり、感情がある。食肉用として飼われている豚や牛には、小鳥に勝る豊かな感情があるはず。テレビなどで紹介される飼育環境はあまりにも過酷なものに思える。人の人権を蹂躙するような人間がいるのだから、動物愛護の精神に欠ける飼育者も少なくはなさそうである。せめてその飼育環境だけでも改善してほしいのだが

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