朝ドラ「カムカムエブリバディ」における偶然の出会い [人生]
定年になってから朝ドラを観るようになった私は、先日最終回を迎えた「カムカムエブリバディ」も楽しんでいた。このドラマでは「意味のある偶然の出会い」が重要な出来事に設定されている。戦災孤児の「錠一郎」と「るいとその母親」の関わり、「ひなた」と「ビリー」の関わり、「算太」と「るい」「ひなた」との出会い。ドラマを仕立てる手段のひとつとして、作者はこのような物語を作ったのであろうが、偶然の出会いを繰り返してきた私は、もしかしたら、という気がしないでもない。この作者自身が「偶然の出会いを幾度も経験しているのかもしれない。
2019年7月20日に投稿した記事「村上春樹の新作を読んで」のなかに、次のような文章を書いた。<村上春樹の長編小説「国境の南太陽の西」の後半に、主人公がかつて捨てた恋人と偶然に顔を合わせる場面が描かれている。「主人公の目の前に赤信号でタクシーが止まると、車内から主人公を見つめている元恋人の姿があった」とされる場面である。もしかすると、「ウイズ・ザ・ビートルズ」に描かれた体験以外にも、村上春樹は不思議な邂逅を経験しているのかも知れない、という気がする。>
「村上春樹の新作を読んで」の中で、私自身が経験した不思議な出会いを書いたのだが、それがきっかけになって、過去に経験した「不思議な偶然の出会い」を幾つも思い出すことになった。その思い出を投稿した本ブログの記事は、次のように8回にのぼる。
・旅先で知人と邂逅することの不思議さ・・・・・・その高い頻度を科学では説明できない(2019.7.27)
・共時性あるいは同時性と呼ばれる現象について(2019.8.18 )
・偶然の出会いに関わるある思い出(2019.9.4 )
・偶然の出会いに関するさらなる思い出(2019.9.8)
・偶然の出会に関する忘れがたいもうひとつの思い出(2019.9.22)
・結婚する相手は運命的に決まっているのかもしれない(2019.9.24)
・偶然の出会いに関わる思い出はまだあった(2021.4.16 )
上記のなかの「偶然の出会いに関わるある思い出(2019.9.4 )」は、敗戦から10ヶ月後に復員した父と、駅のプラットホームで出会ったことを書いたものである。その不思議な邂逅は、父が遺した手記にも記されていた。5月3日に投稿した「父の歌集より 26」には、父が記した文章をそのまま載せてある。
不思議な偶然の出会いを体験する人は、案外に多いのではなかろうか。幾度も経験する人も、意外に多いのかもしれないのだが、そうだとすれば、それはやはり「意味のある偶然の出会い」と言うことであろう。そうであろうと、その秘密が科学的に解明される日は来ないと思われるのだが。
2022-05-05 21:30
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