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色弱を矯正できるメガネ [身体と健康]

2018年12月25日に投稿した「白内障手術を受けて」のなかで、術後の眼では、それまで白く見えていたはずのものが青みがかって見えるようになったと書いた。それは私にかぎらず、白内障手術を受けた人のほぼ全ての人が体験することらしい。高齢になると眼の水晶体が黄色みを帯びるようになるため、青い光に対する感度がやや低下する。手術によって透明なレンズが挿入されると、色彩感覚が若い頃にもどり、青い光に対する感度が高くなる。高齢になれば程度の差はあっても、誰もが色弱になるということである。充分な視力をもつ高齢者であろうと、青い光に対する感度は低下しているわけだが、色を補正するレンズのメガネを使えば、色を正常に視ることができるはずである。


そのような色弱補正用のレンズが市販されているのではと思い、ネットで調べてみたら、幾つかのメーカーで作られていることがわかった。高齢者用としてではなく、色弱の人のためのものである。色弱であろうと日常の生活で苦労することはないと思われるが、そのメガネを使えば、微妙な色彩を扱う業務にも従事できるのだという。


私が大学に進学したのは60年あまり以前だが、当時は色覚異常と判定された人には選べない進学先が幾つもあった(理系の学部や色彩を扱う学部など)。最近はどうであろうかと思い、ネットで調べてみたら、今では進学先どころか職業についても、かなり自由に選べるようである。大正時代から色覚検査で使われてきた石原式色覚異常検査表なるものは、軽度の色弱をも検出可能な方式ゆえに、それによって異常と判定されても、日常生活に支障を来すどころか、職業を自由に選べる場合が多いようである。


耳や鼻の感度が人によって異なるように、正常な色覚の所有者と呼ばれる人であろうと、一人ひとりの色彩感覚にはばらつきがあるのではなかろうか。そうであるなら、多少の色覚のずれがあろうと、問題のない場合が多かろう。私が若かった頃には、理系の学部に進みたくても進めなかった人が多かったはずだから、石原式色覚異常検査表というものは、多くの人を悲しませてきた、ずいぶんと非人情な存在だった、と言ってよさそうである。


右眼はまだ視力が1.0なので、医師からは白内障手術を受ける必要はないと言われているが、どうせ受けることになるのであれば早い方が良さそうに思える。今年中の涼しい時期に受けようと思っている。 それまでの期間を、80年あまりをかけて色弱になった眼で世の中を見ておきたい、と思う。手術を受けた後で黄色味を帯びたメガネを使いさえすれば、手術前の感覚に簡単に戻ることはできるのだから、気にするほどのことでもないが。 


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