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思わぬ所で知人と出会うことの不思議さ [人生]

私が幾度も体験してきたことに、「思わぬところで知人と出会う体験」がある。本ブログにその体験を8回も投稿している(付記参照)。
 7月30日の投稿記事「『人生の暗号』なる興味深い書物」で紹介した、筑波大学名誉教授村上和雄氏の著作「人生の暗号」の中に、次のような体験が記されている。
                                                   
村上氏がドイツの学究都市ハイデルベルクを訪れたときのことだという。学生街にある酒場の片隅でビールを飲んでいたら、偶然にも、顔見知りの中西重忠京都大学教授が入ってきたとのこと。その部分を読んで、私はドイツのノイシュバンシュタイン城で知人と出会ったことを思い出した。2019年7月20日に投稿した記事「村上春樹の新作を読んで」の後半に、ドイツでの体験が記されている。その部分は次のような文章である。
                                                   
「村上春樹の新作を読んで(2019.7.20)」の後半を再掲
                                                   
 ・・・・・・そして、もっとも不思議な偶然の出会いは、平成5年の夏に、妻と2人でヨーロッパを訪れたときのことである。11日間のパックツアーで、フランスとスイスおよびドイツを観光する旅行だった。
 ドイツの有名なノイシュバンシュタイン城を訪れ、城の1階で内部に入れてもらう順番を待っていたときである。辺りを見回してみたら、少し離れたところに知人の姿があった。同じ大学の学長であり、御夫妻で並んでおられた。周りのほとんどが日本人だったということもあり、学長は私から声をかけられてはじめて私に気づかれたようである。学長はずいぶん驚かれたが、ありえないほど不思議な邂逅に、私も驚愕と呼べるほどの境地にいた。私たちはお互いに、相手がヨーロッパにいることを知らなかったのだが、そのことが、私たちの驚きをより大きなものにしたと言えるだろう。
 私と妻はパックツアーだったが、学長夫妻はレンタカーでヨーロッパ各地を回っているとのこと。車を駆って自由に旅行できるのは、国際学会に幾度も参加して外国の国情にも慣れ、語学にも堪能だからできること。自分の語学力の不足を思うとともに、うらやましく思ったものである。私が初めて書いた小説「防風林の松」(本ブログの左サイドバーに、その小説の概要を紹介している)の序章に、「主人公の友人がヨーロッパをレンタカーで観光した」ことが書かれている。小説を書き進めているうちに、学長のレンタカー旅行が思い出されて、そのような文章を加えることになった。
 それにしてもである、ヨーロッパを旅行中の旧知の人同士が、同じ場所で出会う確率はどれほどのものであろうか。私と妻の見学が1時間ほど早かったなら、あるいは学長たちの到着がもう少しだけ遅かったなら、出会うことはなかったはずである。私たちがその場所で出会う確率は、宝くじに当選する確率よりはるかに低いはずである。
 ヨーロッパでのその邂逅は不思議なできごとと言えるが、先に記した東京での2度の邂逅も、めったに起こらない珍しいできごとだと思える。そのような体験を繰り返してきたことは、私にとってどんな意味があるのだろうか。そのような体験もまた、霊魂の実在を識るに至った経緯とともに(付記参照)、私には何らかの意味がありそうな気がするのである。
 村上春樹の長編小説「国境の南太陽の西」の後半に、主人公がかつて捨てた恋人と偶然に顔を合わせる場面が描かれている。「主人公の目の前に赤信号でタクシーが止まると、車内から主人公を見つめている元恋人の姿があった」とされる場面である。もしかすると、「ウイズ・ザ・ビートルズ」に描かれた体験以外にも、村上春樹は不思議な邂逅を経験しているのかも知れない、という気がする。私が3度も体験したのだから、そんな体験を繰り返すひとがいても不思議ではない、という気がしないでもない。確率的には極めてまれなことだが。
 
私は不思議な邂逅を繰り返しているが(付記参照・・・・・・上記の「村上春樹の新作を読んで」を書いたことがきっかけになり、過去に体験した偶然の出会いの数々が思い出された結果、投稿したものである)、ネットで調べてみると、そのような体験をしている人は少なくないらしい。確率的には極めて起こりがたいことが、思いの外に頻出しているのは、ユング提唱になる「意味のある偶然の一致(シンクロニシティ)」には、どうやらやはり意味があるらしい、と言えそうである。
                                                  
付記 偶然の出会いに関わる投稿記事


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