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テレビを購入したら富士山一周の遊覧飛行 [雑感]

8月9日の記事「白黒テレビを月賦で買った時代・・・・・・・・昭和31年当時のテレビの価格」に関連する記事です。
   
私が最初にテレビを買ったのは、就職して数年後の東京オリンピックのときだった。14インチ程度の白黒テレビだったが、現金では買うことができず、月賦で買うことにした。


電機会社は安月給で、私が受け取っていたのは2万円台だったのではなかろうか。買った店の名前は憶えているが(ネットで調べてみたら、今も昔の名前で家電製品などのネット通販を行っている)、かなりの額であったにもかかわらず、購入価格は思い出せない。とはいえ、印象深く記憶に残っていることがある。それは、景品(謝礼と言うべきか)に遊覧飛行がついていたことである。羽田飛行場を飛び立って、富士山を一周して還る遊覧飛行だった。


その遊覧飛行に参加した人数はさほどに多くはなかった。20人ほどではなかったろうか。よく憶えているのは、富士山の周囲では気流が乱れ、さほどに大きくはないプロペラ機(DC-3型機だったと思われる )が、上下左右に揺さぶられたことである。スチュワーデス(添乗員と呼ぶべきか)はひとりだったが、揺れる機体の中でにこやかだった。富士山の周辺ではそれが当たり前のことらしいと知って、恐怖感はまったくおぼえなかった。


それにしてもである、テレビを買ったおまけにしては実に不思議な謝礼だったと思う。テレビの価格は他の店と同等だったような気がするのだが、もしかしたら、少しくらい高くても、遊覧飛行に惹かれてその店で買ったのかも知れない。いずれにしても、その当時の販売店の利益率はかなり高かったにちがいない。低賃金で作った製品を高く売り、日本の電機会社と販売店は大いに儲けていた、ということであろう。ネット通販が普及して、消費者の方に主導権が移っていると思われる今の時代は、価格競争が厳しいゆえに、遊覧飛行付きの販売などあり得ないだろう。




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